中学受験と高校受験、どちらがコスパが良い?費用・効果・将来性を徹底比較!
「中学受験ってお金がかかるわりに、本当に意味があるの?」そんなふうに思う保護者の方、実は多いのではないでしょうか。
私自身も、長女が小学生になった頃は中学受験など全く考えてもおらず、私も妻も公立中、公立高校の出身だったこともあり、長女は地域の公立中に行くものだと思っていました。しかしながら、私の職場で、同僚自身や同僚の子供の中学受験率があまりにも高いため、興味を持ち、中学受験についていろいろと調べることになりました。
中学受験をするか高校受験にするか、塾代や教材費を考えると、あきらかに費用面では高校受験の方が負担が少なそうに感じた一方で、「早い段階で良い環境に入れた方が子どもの将来にプラスになるかもしれない」という気持ちもあり、お金だけで決められないな……と強く思いました。



この記事では、「中学受験と高校受験、コスパが良いのはどちらか?」という視点から、お金・時間・環境・進路などを総合的に比較していきます。中学受験を迷っている方の判断材料になれば幸いです。
コスト面での比較:中学受験は「先払い」、高校受験は「後払い」
塾や教材費の総額は?
一般的に、中学受験では小4〜小6の3年間で平均150万円〜300万円程度の塾代がかかると言われています。これに模試・テキスト・交通費などを合わせると、350万円程度の家庭もあるようです。
一方で高校受験は、中3で本格的に通塾するケースが多く、総額で50〜100万円程度で済む家庭もあります。
つまり、短期的な支出で比べれば中学受験のほうが高額です。
「受験しない中学生生活」のコストメリット
ただし、中学受験をした場合は、中学以降に塾通いをせずに済む(あるいは頻度が減る)という家庭も多く、高校受験の塾代がかからない分、長期的には大きな差にならないこともあります。
ただし、特に最難関校に進学する子どもたちは中学生になっても塾に通う子も多いです。塾にもよりますが、月の費用は数万円以上となり小さな金額ではなく、その場合は、その分の費用も中学受験ルートの費用に加えて考える必要があります。
見落としがちな「時間」のコスト
中学受験では、小学生のうちから平日4時間・休日10時間という学習時間も珍しくありません。これは家庭全体にかかる「時間的コスト」です。子供だけではなく、親の時間もかなりとられます。
高校受験は中学3年になってからが本番なので、小学生時代は比較的余裕があるという点も大きな違いですね。
パフォーマンス面の比較:教育環境・将来性・親子の満足度
学校環境と学習の質の違い
中学受験を経て進学する中高一貫校は、カリキュラムが計画的で無駄がなく、教員の質も高い傾向にあると言われています。大学受験に向けて「6年間で逆算した指導」がなされることが特徴です。
一方で公立中→公立高のルートでは、地域による学力差や進学実績のばらつきが大きく、学校任せでは不安が残るという声もあります。親や塾がサポートできればよいのですが、それができない場合には、自分で学習方法を確立し、どのような教材をつかってどのように学習を進めていくか、自分で考えていく必要があります。
「学力が近い友人」と過ごす価値
中学受験で同じ目標をもって入学した生徒同士は、学力や学習姿勢が近く、友人との切磋琢磨がしやすいです。これは中高一貫校ならではの大きなメリットだと思います。
私の娘も、中学から同じ志を持った友人に囲まれたことで、自然に勉強する空気ができ、家庭であれこれ言わなくても学習習慣が少しずつ定着していきました。
志望大学に近づく「一貫教育」
難関大合格実績を見ると、上位私立中高一貫校のほうが圧倒的に有利です。理由は、中だるみを防ぐ6年間の教育と、早期からの受験対策が可能な体制にあります。
たとえ中だるみが発生しても、「高校生になったら、周りが頑張るようになって、自分も頑張らないとと思った。」という話はよく見聞きします。
その意味で、「中学受験は高校・大学受験で勝つための先行投資」という側面もあります。
家庭への影響と親の負担
中学受験は親のサポートが重い
中学受験では、スケジュール管理・志望校選び・家庭学習のフォローなど、親の役割が非常に大きいです。「共に戦う」ような数年間になる覚悟が必要です。
私も妻も、仕事を調整して、娘の送迎やお弁当、教材研究、わからないところは家庭教師のように教えるなど全力投球しました。大変でしたが、一緒に頑張った経験は親子の絆を深めたようにも思います。
高校受験は子ども主体でも進めやすい
中学生にもなれば、ある程度は自立して学習できるようになってきます。高校受験は本人主導で進められるため、親の負担が少ないという意見もよく聞きます。
ただし、進路選択を高校受験時にするため、中学3年間を通して親の観察やフォローが求められる点は同じとも言えます。
結論:中学受験の「コスパ」はお金だけでは語れない
教育投資の成果は「見える化」しにくい
「コスパ」という言葉は、お金に対する成果を測るときに使われがちですが、教育においては数字だけで測れない価値もたくさんあります。たとえば、自己肯定感、友人関係、学びへの姿勢など、目には見えない力が育まれるのも中学受験の大きな収穫です。
逆に、中学受験がうまくいったからといって、その後の進路や就職が確約されたわけでもありません。そのため、「パフォーマンス」の定義も曖昧です。
長期的視点で見たときの「納得感」
目先の出費や苦労に気を取られると、「やっぱり高校受験の方が良かったのでは?」と思うこともあります。でも、進学した学校でいきいきと学ぶ子どもの姿を見ると、コスト以上の価値を感じられる場面も確かにあるのです。
だからこそ、家庭ごとの価値観や子どもの性格を踏まえて、最終的には「納得できる選択」ができることが一番大切だと私は思います。
まとめ
中学受験と高校受験のコスパ比較は、お金・時間・労力など複数の軸での検討が必要です。短期的な出費では中学受験が高くつきますが、教育環境や長期的な進路に対するパフォーマンスは高いと感じるご家庭も多いでしょう。
一方で、高校受験は費用負担が抑えられ、本人の主体性が発揮されやすいメリットもあります。
最終的には、「どちらがより子どもに合っているか」「どのような家庭の価値観を大切にしたいか」を丁寧に考えることで、後悔のない選択につながるのではないでしょうか。
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