中学受験の過去問はいつから?失敗しない始め方と学年別スケジュール
中学受験に向けた学習が本格化する中、「過去問って、いつから始めればいいの?」と悩むご家庭は多いのではないでしょうか。わが家でも、娘が5年生の夏を過ぎた頃から周囲の保護者の方々が「そろそろ過去問を…」と話し始め、「え?もう始めるの?」と焦りを感じたのをよく覚えています。でも、早すぎても遅すぎても逆効果。大切なのは、タイミングと目的に合った取り組み方です。



この記事では、過去問を始める最適な時期や活用法、効果的なやり方や注意点について、保護者目線でわかりやすく解説します。中学受験に向けて、お子さんの努力がより実を結ぶよう、ぜひ参考になさってください。
中学受験の過去問、いつから始めるのがベスト?
一般的には「小6の夏以降」がスタートライン
多くの塾では、小6の夏〜秋にかけて過去問に取り組む指導が始まります。これは、基礎力と応用力がある程度固まり、志望校もほぼ確定している時期だからです。
特にサピックスや早稲田アカデミーなどの大手塾では、SS特訓やNN志望校別コースなどの学校別対策が本格化する時期と重なるため、志望校の傾向と対策を実践的に身につけるためにも、このタイミングでの導入が効果的とされています。
私の場合、塾の指導は「夏休みが明けてから」でしたが、12月までにはすべて終わらせたいと考え、逆算して夏休み後半から始めることにしました。また、自信をつけてもらうよう、難易度が相対的に低い方からとし、第3志望校、第2志望校、第1志望校の順に取り組みました。
小5の秋以降に「準備的に取り組む」ご家庭も
ただ、近年では小5の秋〜冬ごろから過去問を軽く解いてみるご家庭も増えているようです。特に志望校が決まりつつあり、さらには上位校を目指す場合、目標とする到達点を明確にしたりモチベーションを高めるために、出題傾向や設問形式に軽く慣れておくことが後々の学習効率を高めてくれるという考え方です。
とはいえ、この時期の過去問は「点数を取ること」が目的ではなく、形式や時間配分に「触れる」ことがメイン。貴重な過去問を消費してしまいますし、自己肯定感を損なわないよう、扱い方には配慮が必要です。
私の場合は、第一志望校のみ、傾向が大きく変わらない古い年度の過去問を使って、娘が小5の1月に一度見てもらいました。解いてもらったわけではなく、私があらかじめ全体を見ておいて、「こんな感じの問題が出るんだね。」と、一緒に娘と確認するというやり方にしました。
小4以前の過去問は基本不要
小4以前に過去問に手を出す必要は基本的にありません。まだ基礎学力の定着期ですし、難しすぎる問題に触れても逆効果になることが多いため、むしろ学習意欲を削いでしまうリスクがあります。
目的を持った過去問の使い方
試し解き&形式把握
5年生後半や6年生前半に、年末や春休みに志望校の過去問を1年分だけ解いてみる、といった活用が良いと思っています。
- 出題形式や難易度の傾向を把握
- お子さんの得意・不得意の傾向を見極める
- 今後の学習の「ゴールイメージ」を持つ
この時点では点数や合格可能性に一喜一憂しないことが大切です。
出題傾向の確認
小6の春〜夏にかけては、主要科目の出題傾向を分析する目的で過去問に取り組みます。たとえば、
- 国語の記述が多い学校 → 記述強化の必要性を再認識
- 算数の思考問題が多い学校 → 演習量の見直し
といった具合に、合格に向けた戦略の基礎データとして活用できます。もちろん、取り組むときにはなるべく高得点を取ろうと全力を尽くしてもらうわけですが、「まだ取れなくても当然。出題傾向を学んでいくために解いている。」ということを、頭の片隅に置いておくのが良いと思います。
得点力を高める本格演習
6年生の秋以降は、本格的な得点力アップの演習期。目安として、志望校ごとに過去5〜10年分を繰り返し解き、時間配分・記述量・答案の精度を高める練習に入ります。
特に注意したいのが、ただ「解いて終わり」にしないこと。解き直し・振り返り・解答プロセスの確認まで丁寧に行うことで、初めて本当の効果が出ます。
過去問演習でつまずかないための注意点
点数だけに一喜一憂しない
初めて解いた過去問で低得点を取ってしまうと、親子ともに動揺してしまいますよね。わが家でも娘があるとき挑戦した志望校の算数で30点台を出したときは、正直「大丈夫かしら…」と不安になりました。
でもこれは「現時点の実力を把握するための資料」であって、合否を占うものではありません。解けなかった理由や設問パターンを分析し、今後の学習に活かすことこそ大切です。
塾の方針と連携を取る
塾によっては、過去問の実施時期や順序、答案提出のルールが細かく決まっていることがあります。特に早稲アカのような大手塾では、学校別の過去問指導がカリキュラムに組み込まれています。
そのため、家庭学習で勝手に進めすぎると、塾の指導方針とズレてしまう可能性があります。事前に塾の先生と「家庭ではどの程度進めて良いか」を確認しておくと安心です。
スケジュールに余裕をもたせる
過去問演習は1回解くだけでざっくり1時間かかります。さらに、解き直しや復習にも時間が必要なので、週に1〜2校分でもかなりの負担になることも。
お子さんの体調や精神的な疲れを考慮しつつ、9月〜12月にかけて無理なくこなせるスケジュールを逆算しておくのがコツです。
過去問は「量より質」、やりっぱなしを防ぐコツ
解きっぱなしにしないチェックリスト
- 間違えた理由を「ケアレスミス」「知識不足」などで分類
- 同じ形式の問題を別教材で解き直す
- 記述問題は親や先生がフィードバックを与える
このように、「解いて終わり」を防ぐ仕組みを取り入れると、1年分の過去問が何倍もの学習効果をもたらすようになります。
得点記録をノートにまとめて可視化
我が家では、各回の点数や時間、難易度、平均点や合格者最低点などを記録する「過去問ノート」をエクセルで作っていました。これがあると、後で見返したときに成長が見えやすく、お子さんのモチベーション維持にもつながります。
まとめ:過去問は「戦略的に」取り組めば大きな武器に
過去問をいつから始めるかは、ご家庭の方針やお子さんの学習状況によって異なりますが、基本は小6の夏〜秋からが目安。小5から少しずつ触れるのもOKですが、焦らず丁寧に目的を持って取り組むことが大切です。
過去問は、やり方次第でただの「問題集」ではなく、「合格へのナビゲーター」になります。ご家庭でのサポートが、お子さんの自信と実力を引き出す鍵となるはずです。どうか納得のいく中学受験になりますよう、心より応援しています。
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