中学受験の冬期講習を徹底比較!苦手克服・総復習、本当にできる?

2022年12月3日塾選び

塾選び

もうすぐ冬休み。中学受験で冬休みといえば、休むどころか冬期講習ですね。。。

娘は新小4年から早稲田アカデミーに通い始めましたが、ずっと、春期講習、夏期講習、冬期講習と、一度も季節講習に参加したことがありません。そして、小5の冬期講習も受けないことが確定しています。

しかしながら、早稲アカはもちろん、サピックスや四谷大塚の季節講習の情報にすら興味がなかったわけではありません。娘の長期休みの学習を立てる上で、それぞれの塾がどの辺りを補強して学習させるのかなと、これまでにも情報収集はしていました

中学受験の疑問や悩み

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冬休みは苦手を克服したいけど、塾の冬期講習に任せておけばいいのよね?
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家では教えるとか、余計なことしないで欲しいといわれているし・・・
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冬期講習で何やるか知らないけど、費用が高いし、冬休みくらい遊ばせてもいいわよね?

このような疑問をお持ちの方の少しでも参考になればと、サピックス、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研の冬期講習の日程、費用、カリキュラムなどの内容についてまとめてみました

情報が多すぎると逆にわかりにくくなることもあり、勢いのあるグノーブルやZ会については省かせていただき、また、6年生はどの塾も総合演習的な学習となっているため、4年生と5年生の冬期講習について焦点をあてることとしました。

なお、まとめる際に気をつけておりますが、正確な情報はそれぞれの塾の公式ホームページを確認いただくと確実かと思います。

ツイッターのぜろパパページ

冬期講習の目的

冬期講習では、学校がない冬休みに、毎日のように一定期間塾に通って勉強しますが、冬期講習の目的は塾によって異なっています

サピックス:カリキュラムが進む

早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研:これまでの復習を行い、理解を深めて定着をはかる

順調に学習を進めることができていないサピックス生の親は「既習範囲に穴があるけど大丈夫かな・・・」と考えるかもしれませんね。

一方で、順調に学習を進めることができていて、いわゆる難関校志望であるなど、サピックスを意識している早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研生の親は「サピはどんどん進むのに、ちゃんと追いつけるのかな・・・」と、不安になるかもしれません。

冬期講習の日数、時間、費用の比較

大手4つの塾の冬期講習の期間や日程は、それぞれの公式ホームページで確認することができます。

まずは4年生の冬期講習日程です。

4年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
日数 4日間 8日間 6日間 4日間
1日あたり時間×コマ数 200分 110分×1コマ
50分×1コマ
60分×3コマ 70分×4コマ
延べ時間(分) 800 1,280 1,080 1,120
費用(円) 25,850 31,700 35,200 29,128
1時間あたり費用(円) 1,939 1,486 1,956 1,560

4年生の冬期講習は、四谷大塚の延べ時間が少なめですが、大きくは変わらないようです。ただし、早稲アカは日数が多くなっており、送迎等含め、負担感は大きくなりそうです。

次に、5年生の冬期講習日程です。

5年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
日数 4日間 8日間 6日間 9日間
算国時間 300分 110分×3コマ 90分×2コマ 70分×4コマ
延べ時間(分) 1,200 2,640 1,080 2,520
費用(円) 36,850 66,600 37,400 59,598
1時間あたり費用(円) 1,843 1,514 2,078 1,419

正月特訓などの講習は除いた数値となっていますが、5年生の冬期講習は、日数的にも時間的にも早稲アカと日能研の拘束が強くなっています。そして、その分、一見すると冬期講習費用が高い早稲アカと日能研ですが、1時間あたりに換算するとが安くはなります。

時間拘束が強い分、家での学習管理も減るわけでお買い得(?)のようにも見えますが、逆に言うと、早稲アカと日能研は、四谷大塚やサピックスに比べて、家庭学習による調整を取りにくいということでもあります。

つまり、塾任せの割合が高くなってしまうわけですが、最大公約数的に用意された塾のカリキュラムが、実際に子に学習してほしい分野にぴったりと当てはまっていないと、「比較的できている分野を冬期講習で学び、苦手分野はそのまま」などという、目も当てられない状況になってしまうかもしれません。。。

いずれにしても、それなりに差がありますが、どこの塾もかなりの日数、通うことになります。また、旅行に行けてしまいそうなくらいの費用もかかります

算数のカリキュラム比較

4年生

まずは、4年生の算数です。

4年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
算数 速さ 平面図形 平面図形(1) 小数の計算
平面図形 立体図形 数のせいしつ 場合の数
立体図形 和と差 平面図形(2) 比例と速さ
割合 変化とグラフ 場合の数 文章題
和と差 立体図形
総合(01~05)

四谷大塚は速さに割合と難しそうなところをまんべんなく、早稲アカは比較的集中して図形強化の一方で、日能研は図形を取り上げていないのが目立ちます。

早稲アカで「後期は割合の理解がいまいちだった・・・」とか、日能研で「この先、図形大丈夫??」と感じていて、「冬休みは苦手克服!」と決意している場合には、冬休みの空いた時間に、家で計画的に復習しなければなりません

5年生

次に、5年生の算数です。

5年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
算数 比を利用する平面図形 和と差・数の性質 数に関する問題 場合の数
比を利用する速さ 割合と比 平面図形 規則性
切断などの立体図形 立体図形 比と割合
速さ 速さに関する問題 平面図形
速さ

どこの塾も比ですね。

また、4年に引き続きとなっていて、早稲アカは和と差を、日能研は場合の数を好きなようです。

その、苦手な人が多いだろう場合の数は、少なくとも予習シリーズではしばらく遠ざかっていますが、四谷大塚と早稲アカでは、冬休みもやりません。

理科のカリキュラム比較

4年生

4年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
理科 秋のころ 電気 電車ごっこをする電気 流水の働きと地形
冬のころ ヒトのからだ 二人三脚をする電気 太陽の動き、地温・気温・太陽高度
流れる水のはたらき 流れる水のはたらき 電気回路をつくってみよう! 星座と星の動き
電気のはたらき 物の燃焼 豆電球の明るさ
ものの溶け方 物の溶け方
ばね
いろいろな水溶液
秋・冬の生物
気体

四谷大塚と早稲アカは後期の復習ですが、早稲アカは詰め込み過ぎのような。これで適切な復習ができるのか。。

サピックスは物理のみ。タイトルは楽しさや優しさを感じますが、中身はもちろん真面目です。でも、木炭の電池とか、コラムが面白いですね。

日能研は地学好き?化学と生物が苦手なら家で何とかするしかなさそうですね。

5年生

次に、5年生の理科です。

5年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
理科 動物とヒトのからだ 力学 磁力と電気~電気のはたらき④~ 地層と岩石
物の燃焼 電流 電磁石~電気のはたらき⑤~ 気象
大地の変化 光と音 天体
電流と発熱 化学変化 気体・燃焼
水溶液
電流
てこ・ばね

四谷大塚はまんべんなくで、唯一、生物を扱います。早稲アカとサピックスは物理に集中。日能研は相変わらずの地学好き

全ての塾が扱うあたり、電気はとても大事な単元であり、おそらくつまずきやすい分野であることがわかります。

社会のカリキュラム比較

4年生

まず、4年生の社会です。

4年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
社会 都道府県のすがた ふるさとじまん(都道府県) 工場をつくるなら?(1)~金属工業と石油化学工業~ あたたかい地方・寒い地方
日本の農業の特色 農業 工場をつくるなら?(2)~機械工業~ きょう土の開発(Ⅰ)・(Ⅱ)
工場をつくるなら?(3)~軽工業~ むかしの交通

四谷大塚、早稲アカ、日能研は、いままでの復習です。

地理でたくさん習ってきていますが、日程的に扱う分野がどうしても狭くなり、なんとなく中途半端な復習に見えてしまいます。社会が苦手だとしたら、「冬期講習だけで一気に得意になった!」はもはや奇跡ではないでしょうか。

少なくとも四谷大塚・早稲アカのテストでは5年生から漢字指定が厳しくなる上に、問題を解くのに思考を要する問題が増えてきます。もしも苦手意識が出てしまっている場合には、5年生にあがる前になんとかしておきたいところではあります。

そして、予習シリーズでは5年生の始めの方で習う工業を、サピックスでは小4の冬休みに勉強し始めてしまいます。さすがですね。でも、予習シリーズも2回にわたり細かく覚えていきますので、気にすることはないでしょう。

5年生

次に、5年生の社会です。

5年生 四谷大塚 早稲田アカデミー サピックス 日能研
社会 飛鳥から明治 鎌倉時代~安土・桃山時代 戦争の時代(1) 古墳・飛鳥時代
明治から昭和の戦争 江戸時代(1) 大正時代 奈良時代
戦後の民主化について憲法を中心に 江戸時代(2)~明治時代(1) 平安時代
明治時代(2)~大正時代 鎌倉時代
室町時代
戦国時代
安土桃山時代

どの塾も、5年生の後期から歴史を本格的に学んでいきます。すると、始めの方に勉強したところは、冬休みには忘れてきていますね

すると、四谷大塚や日能研が、歴史の前半部分を取り上げていてちょうど良いように見えてきます。もっとも、四谷の「飛鳥から明治」は広すぎるため、どこまで復習できるのか気になるところではあります。

そして早稲アカ。思い切って平安時代までは各自で頑張ってということで、10月くらいから学んだところを重点的に復習するようです。たしかに江戸以降は情報量が多いしとても大事な時代とは思うのですが、これは、まさかの1月末の組分け対策になってはいませんか。。

終わりに

サピックスの冬期講習は何事もなかったかのようにカリキュラムが進むことになっていますが、それ以外の塾の場合、中学受験を目指す家庭にとって冬期講習に期待することは、概ね、いままでに習ったことの総復習であったり、苦手の克服だったりするなのではないかと思います。

ところが、各塾のカリキュラムをよく見てみると、冬期講習でその期待を実現させるのは、そう容易なことではなさそうです。

まず、4年生でも5年生でも、それまでにかなりの範囲を学習しているわけですから、冬期講習の日程や時間的に、総復習するだけの時間はなさそうです。

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4年生の早稲アカの理科の網羅性!まさに総復習!・・・ですよね?

早稲アカの4年生の冬期講習の理科は合計○時間で、カリキュラムにある11単元で割ってみると、1単元あたり○時間。と、計算してみると、それぞれ、さらっとなぞって終わってしまう印象です。

本気で総復習したいなら、家で計画的に進めるしかなさそうに感じます。

では、苦手の克服はどうでしょう。

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苦手の『速さ』が入っているわ!これで得意になるはず!・・・なるわよね?

これまでも、テストを受けるごとにその苦手な範囲を復習しているにも関わらず、それでも苦手で今に至るとします。

冬期講習でたった1~2時間取り上げられるだけで苦手が克服できるようであれば、みんな苦手でなくなっているような気がしてしまいます。

私と娘のように、季節講習に参加しないのが普通という家庭は珍しいとは思いますが、「冬期講習に参加すれば大丈夫!」ではなく、「冬期講習に参加するとして、何をプラスして家庭で学習すればいいのだろう?」を、大切な我が子のために、親はひたすら考えるのがとても大事なような気がします。

そんなことを塾に伝えた日には、塾の先生は喜んでアドバイスしてくれると思います。いろいろ考えたくても、忙しくて時間がなかなか取れないという保護者の方も多いと思いますので、ぜひ塾を最大限に活用したいところです。

ただし、繰り返しになりますが、4・5年生の早稲田アカデミーと5年生の日能研は、冬期講習による拘束が強く、年末年始返上でもしない限り、なかなか家庭学習を計画的に進めることが難しくなっているので、本当に注意が必要と思います

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Posted by ぜろパパ