中学受験動画完全ガイド|選び方から科目別おすすめ・失敗しない活用法まで徹底解説
中学受験の準備を始めると、塾の授業・家庭学習・市販教材に加えて、保護者として気になるのが「動画学習」の活用です。特に近年はYouTubeや教育系配信サービスが急成長し、算数の難問解説から社会の年号暗記、理科実験の映像化、国語の読解テクニックまで、あらゆるジャンルが揃っています。
しかし実際に取り入れてみると、動画は玉石混交です。娘と一緒に試してきた中で、「これは効果的だ」と思ったものもあれば、「これは娯楽寄りで学習効果が薄いな」と感じたものもありました。



本記事では、私自身の家庭での経験も交えながら、動画学習のメリット・限界・科目別おすすめ・選び方・活用法・よくある失敗と対策まで、保護者目線で深掘りします。
中学受験動画のメリットと限界を理解する
視覚的・聴覚的な理解促進
動画の最大の利点は、紙面では伝わりにくい動きや変化をリアルに再現できることです。たとえば理科の「てこ」や「浮力」、算数の「立体切断」や「展開図」、社会の「河川の流れ」や「地形の成り立ち」などは、静止画だと理解に時間がかかりますが、動画なら動きの流れが一目瞭然です。
娘の場合、理科の天体分野で月の満ち欠けの動画を見せたら、それまで平面的だった理解が一気に立体的になりました。「こうやって地球の周りを回ってるから、見え方が変わるんだ」と納得していました。
すき間時間を有効活用
机に向かう必要がないため、移動時間・待ち時間・入浴中などにも活用できます。私はタブレットをジップロックに入れてお風呂に持ち込み、湯船で温まりながら、あるいはシャワーを浴びながら理科や社会の一問一答動画や歴史年号の語呂合わせなどのを見せていました。これにより、学習時間を削ることなく、休憩と学習を同時進行できました。
受け身になりやすいという弱点
ただし、動画学習は受動的になりやすいという大きな欠点があります。見ている間は理解した気になっても、いざ問題を解くと「あれ?解けない」ということが起こりやすいです。このため、視聴後には必ずアウトプット(問題演習や口頭説明)をセットにすることが必要です。
科目別おすすめ動画ジャンルと使い方
算数
1. 図形の展開・切断動画
立体を回転させたり切断する様子は、動画でこそ理解が進みます。展開図や切断面をアニメーションで示す動画は、空間認識力の養成に最適です。
2. 難問解法実況動画
難関校の入試問題を実際に解く過程を実況してくれる動画は、思考の流れや途中式の組み立てを学ぶのに役立ちます。
3. 単元別短時間解法
「速さの比」「仕事算」など、単元ごとに時間短縮のコツを教えてくれる動画は、効率化に有効です。
理科
1. 実験系動画
浮力やばね、電流など、実際に手を動かした実験を動画で見ることで、「なぜそうなるか」を直感的に理解できます。
2. 天体・季節の変化
地球の公転や自転、月の満ち欠けなどは、動きで見せると一発で理解できます。静止画でつまずいている場合は特に効果的です。
3. 一問一答形式
短時間で多くの知識を復習できるため、すき間時間に最適。動画ならテンポよく繰り返しできるので、定着が早まります。
社会
1. 地形・地理映像
山脈や川、都市の位置などを地図アニメーションで見せると、地理感覚が育ちます。
2. 歴史年号語呂合わせ
楽しい語呂合わせは、暗記のハードルを下げます。娘はこのジャンルを特に気に入り、風呂場で何度も口にしていました。
3. 資料読み取り解説
統計やグラフの読み方は、動画で手順を見せることで初学者でも理解しやすくなります。
国語
1. 読解手順の実況
文章を読みながら解く手順を見せてくれる動画は、設問に対するアプローチを学べます。
2. 語彙・慣用句・四字熟語
短時間で繰り返し口に出せる動画は、語彙力の底上げに向きます。
3. 朗読付き教材
正しい抑揚や間の取り方を学ぶことで、音読力と理解力の両方を高められます。
動画選びのチェックポイント
- 配信元の信頼性
教育系出版社や有名塾講師の動画は情報の正確性が高く、安心して使えます。個人制作は質が高い場合もありますが、誤情報に注意が必要です。 - 長さと構成
小学生の集中力を考え、5〜15分程度に収まっている動画がおすすめ。途中で区切れる構成だと復習がしやすいです。 - アウトプットとの連動
動画を見たら必ず問題を解く・説明する・まとめるなど、アウトプットを組み合わせましょう。
効果的な動画学習の習慣化方法
時間帯を固定
学習を習慣化するには、毎日同じ時間に動画を見るのが効果的です。前述のとおり、我が家では入浴の約15分を「動画学習タイム」としていました。
内容を事前に選定
学習目的に合った動画を事前に保護者が選んでおくと、探す時間のロスを防げます。本人が探すには、時間もかかるしいつの間にか学習と関係ない動画を探し出すので、極めて困難です。
家族でシェア
動画で学んだ内容を家族に説明させると、理解度の確認になり、自分の言葉で説明する力も身につきます。
よくある失敗と対策
失敗1:動画を「見ただけ」で終わる
→ 対策:視聴後に例えば問題を1問解くとか、動画の要点を口頭で説明させる。
失敗2:娯楽寄りの動画に流れる
→ 対策:学習目的の動画だけをフォルダや再生リストにまとめる。
失敗3:動画時間が長すぎて集中が切れる
→ 対策:10分以内で1つのテーマに絞った動画を選ぶ。
まとめ
中学受験動画は、視覚と音声の力で理解を加速し、すき間時間を学びに変える強力なツールです。ただし、動画だけで合格力はつかず、必ず演習・アウトプットと組み合わせる必要があります。科目や単元ごとに動画を選び、家庭の学習ルーチンに組み込むことで、その効果は最大化します。
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