中学受験の「プリンター」完全ガイド——おすすめ機種、A3対応が効く場面、印刷・スキャンの実践術まで

中学受験を走り切ると、プリントの扱いが学習効率を左右すると実感します。塾の配布物や過去問のコピー、学習計画表の更新、模試の解き直し用プリント——家庭にプリンターがあるかどうかで、親の手間と子どもの回転数はかなり変わると思います。



私はA4の高速連続スキャナ(「ScanSnap」)を持っていて、見開きA3教材は裁断してスキャンし、必要な部分をA3やB4で原寸印刷することが多かったです。ただ、より重要なのはA3やB4のスキャンでした。結果として、A3対応の複合機は「贅沢」ではなく「時短と可読性の投資」だと感じました。
中学受験にプリンターは必要か?——結論と前提
結論:家庭の負担軽減と学習の回転数を上げる「装置」
中学受験では「教材」「塾プリント」「模試」「過去問」の往復で紙が増えます。家庭にプリンターがあれば、原寸でのコピー・拡大印刷・すぐの再印刷が可能になり、親の移動や待ち時間が消えます。私は長女の入塾以降、「すぐに印刷できる」ことが反復演習の回数を押し上げると感じました。
こんな家庭に向く・向かない
文字が小さいと目に悪いしスペースも小さく解きにくい、通塾頻度が高くプリント量が多い、または「原寸で解かせたい」方針のご家庭には強く向きます。一方、プリントを厳選し「外部コピー・PDF閲覧中心」で回せるご家庭は、プリンター無しでも成立するかと思います。ただ、B4やA3の原寸をコンビニ頼みにすると、「混雑」「両面」「連続ページ」で待ち時間と占有のストレスが出やすいです。
不要派の工夫と、必要派の決め手
不要派は、必要最小限だけ外部印刷、で十分戦えるかもしれません。ただ、スキャナ利用による教材電子化に慣れると、横断検索や復習用の大量印刷などメリットが大きく、それらを使いこなしている家庭との戦いになる覚悟は必要だと思います。また、6年の過去問期は、「解答・問題の並行利用(見比べ)」や「複数回の解き直し」で紙の出入りが増幅。ここでA3対応機があると一発で整うのが決め手でした。
教材の電子化については、以下の記事が参考になるかと思いますのでご覧になってみてください。
我が家の体験
私の場合は、とにかくA3とB4サイズのプリントのスキャンで大活躍しました。長女は早稲田アカデミーでしたが、職場の同僚からサピックスの教材を全て譲り受けました。サピックス教材はA4スキャナでは電子化できないため、A3複合機はとても役立ちましたし、サピックス生ではもはや必須なのでは?と思いました。
また、娘の社会・理科など図表の細字がA4では読みにくいときなど、B4印刷で解決しました。さらに、過去問はA3やB4の両面印刷が多く、「見開きの一体感」で設問の取り違えが激減。可読性の改善は、そのままミス削減に効いたと感じます。
サイズ選び:A4で足りる?A3/B4が効く場面
過去問・解答を「原寸で」扱う意味
過去問は実際の形式で解くのが良いとされています。A3/B4対応だと、切り貼り・分割印刷の手間が不要になり、「紙面の視界」がそのまま保持されます。本番さながらの条件で、時間内に読み切る力が育ちます。
図表の拡大と可読性アップ
国語の細かい注や、理社の表・年表は、A4だと字が詰まって読みにくいことがあります。B4で1段階だけ拡大するだけで、目の疲れと読み戻しがかなり減ると思います。「読む負担の軽減=集中力の温存」です。
コンビニ印刷の限界を知る
コンビニは単発では便利ですが、複数枚の両面・連続コピーは機器占有が長くなります。6年秋の土日は特に並ぶかもしれません。家庭にプリンターがあると「5分で回す」が可能で、夜間・早朝にも即対応できます。
機能で選ぶ:中受向け複合機の必須条件
ADFと両面同時スキャン(=スピードの源)
自動原稿送り(ADF)と両面同時スキャンは、プリントの山を一気にPDF化する要です。私は見開きA3教材を裁断→ScanSnapまたはブラザー→必要ページだけ印刷の流れを定着させ、探す・並べるストレスを削減しました。両面同時は片面運用の半分の時間で済みます。これができるのは、当時、ブラザー「MFC-J6983CDW」でした。
用紙トレイと切替の手間
A3/B4/A4を使い分けるなら、トレイ容量と切替の容易さが重要。前面2段+手差しがあると、A4常備・B4常備・A3手差しの運用でストップが減ります。給紙トラブルの少なさも作業の連続性に直結します。この点からもブラザー「MFC-J6983CDW」が良いと考えられました。
印刷速度・耐久性・月間想定枚数
中学受験は短期に大量出力が続きます。印刷速度(ppm)と耐久性(耐久枚数・推奨月間印刷数)は要チェック。スローダウンや紙詰まりが連発すると、親の時間が削られ、子どもの集中も途切れます。もっとも、いくら中学受験でプリンタが大活躍といっても、10万枚以上印刷することはあまりないとは思いますので、他の性能に比べると優先順位は低いです。
ランニングコスト(インク形態・顔料/染料)
文字主体なら顔料黒のくっきり感が効きます。写真用途が少ない家庭は、インクジェット系の低コスト・高速がはまりやすいです。大容量タンクは一度の出費が大きめでも総コストが下がることが多いです。
機種の候補:ブラザーを選んだ理由と2モデル比較
私が選んだ「MFC-J6983CDW」
当時の結論は「性能(A3同時両面スキャンなど)とコストのバランスでほぼ一択」でした。A3対応、ADF、両面同時スキャン、用紙ハンドリングの安定が揃っており、中学受験の現場要件に直球です。今でも購入でき、最新にこだわらなければ価格面で強いのが魅力です。
後述の後継機種が出ていますが、現在でも購入でき、また、性能面では十分すぎる上に1万円近くやすいので、大変人気ですし、私も今でも強くおすすめできる機種となっています。
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後継「MFC-J7300CDW」の強化点
後継は印刷速度・印刷コスト・耐久性が向上しているようです。連続大量印刷や年単位の利用を見越すなら、予算が許せば後継が安心です。
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どちらを選ぶ?——価格差と買い場の考え方
今でもMFC-J6983CDWは1万円弱安いことが多く、「中6の1年を走り切る投資」としては十分な実力があります。価格の底は動きますが、だいたいAmazonが最安値となっているので、タイミングを合わせて狙うのが現実的です。「今すぐ必要」か「数週間で最安を待つ」かで決めると、後悔が少ないと思います。
置き場とプリンター台のコツ
A3対応は本体が大きいため、プリンター台やラックの確保がポイント。振動・排紙スペース・前面扉の可動域を見ておくと、紙詰まり対応が楽です。キャスター台にすると掃除や配線見直しが容易で、トレイ周りの紙粉清掃もしやすくなります。
家庭での実践:スキャンと整理のワークフロー
ScanSnap×裁断×PDF管理
私は予習シリーズなどの見開きA3教材は、裁断してA4対応のScanSnapで両面高速スキャンし、単元ごとにPDF化しました。「必要ページだけA3/B4で再印刷」できるので、紙の山を一度データ化して身軽に。検索性も上がり、似た問題の横断復習が楽になります。
一方で、授業で配られたA3プリント、組分けテスト、(職場の同僚から譲り受けた)サピックステキストなどの、A3やB4サイズの教材はA4スキャナではデータ化できないので、MFC-J6983CDWを使ってスキャンしてPDF化していました。
中学入学後も出番は続く
中学に上がっても、レポート・提出物・部活資料でプリンターは現役です。勉強に関係なく、図書館で借りた資料のコピーや家の書類スキャンでも活躍。「受験が終わったら不要」にはなりませんでした。
まとめ
A3/B4対応・ADF・両面同時スキャンが揃った複合機は、中学受験の「紙のボトルネック」を外す装置だと思います。
可読性の改善はミス削減、即時印刷は回転数増に直結。私の場合は、娘の6年秋以降、A3/B4の原寸運用とPDF化の組み合わせが学習の安定装置になりました。
コスト優先なら「MFC-J6983CDW」、性能優先なら「MFC-J7300CDW」が選びやすい軸です。置き場の確保と紙の運用ルールまで決めておくと、導入効果は最大化します。
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