四谷大塚の特待生制度を保護者目線で徹底解説｜仕組み・基準・家計インパクトと上手な向き合い方

2025年12月12日塾選び

中学受験の塾代は、正直なところ家計へのインパクトがかなり大きいですよね。その中でも四谷大塚の特待生制度（特待）は、条件を満たせば塾代がほぼゼロに近づくほど手厚い制度と言われています。いっぽうで、「どのテストで決まるの？」「偏差値はいくつくらい必要？」「進学くらぶ生も対象なの？」など、ネットの断片的な情報だけでは全体像がつかみにくいと感じる方も多いと思います。

 

私自身の娘は早稲田アカデミー生で、四谷大塚に通っていたわけではありませんが、全国統一小学生テストの決勝大会で、四谷大塚の特待担当の方から直接お声がけをいただいた経験があります。そのとき「ここまで成績を出せれば、塾の選択肢が一つ増えるんだな」と、親として純粋にうれしく、同時に制度の重みも感じました。

この記事では、そんな保護者目線から、四谷大塚の特待生制度について

• 仕組みや免除される費用の全体像
• 認定の入口になるテストと成績水準の目安
• 家計面・学習面のメリットと注意点
• 早稲田アカデミー・日能研など他塾との違い
• 特待を「狙う」ときのスタンスと、子どものメンタルケア

を整理していきます。あくまで「取れたらラッキー」くらいの気持ちで制度を理解しつつ、子どもにとってベストな環境選びに生かす材料として読んでいただけたらうれしいです。

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四谷大塚の特待生制度とは？まず全体像を整理する

四谷大塚における特待生

四谷大塚では、いわゆる特待生にあたる制度が、本科教室に通う子だけでなく、通信型の「進学くらぶ」の受講生にも適用される枠が設けられていると言われています。
一般的には、新小４（小３の２月から４年生になる学年）を中心に、高い成績をおさめた子どもに対して授業料などを免除する仕組みです。
「塾側が上位層をしっかりサポートし、難関校合格実績につなげたい」という思惑と、「家庭の負担を軽くしたい」という保護者側のニーズが合致している制度と考えるとイメージしやすいと思います。

どの費用がどこまで免除されるのか

全統小決勝でいただいた封筒に入っていた案内資料を見ると、四谷大塚の特待では、

• 授業料
• 週テスト・組分けテストなどのテスト代（一部テストは有料）
• 春期・夏期・冬期など、必修の季節講習費
• 予習ナビ
• 高速基礎マスター
• 6年生の学校別対策コース、過去問演習ナビ、AI個別学習プログラム

といった「中学受験でほぼ必ずかかる基本費用一式」が１年間ほぼ全額免除になるようです。ブログなどでは「校舎によって違う」という情報がありますが、年度によって違う可能性は十分にあり得るものの、いただいた特待生規約によれば全て明確になっています。

一方で、これから四谷大塚に入塾する場合には入会金は必要となっていて、教材も四谷大塚のホームページから購入するので、費用ゼロというわけではないことに注意が必要です。

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認定の入口になるテストと、成績水準の目安

全国統一小学生テストが代表的な入口

四谷大塚の特待生の入口として、最もよく名前が挙がるのが「全国統一小学生テスト」です。年２回（６月・１１月）行われる大規模な公開テストで、この成績優秀者に対して特待の案内が届くケースが多いとされています。

なお、決勝大会でいただいた案内文によると「決勝大会に出場した子」が対象のようでしたが、決勝大会で伺った話によると、実際には別途もう少し広く案内を出しているようでした。

組分けテストや校舎内テストも評価対象

すでに四谷大塚に在籍している場合、組分けテストの成績も、特待認定の判断材料として加味されることがあるようです。
外部生は全国統一小学生テストが入口になりやすいのに対して、内部生は「ふだんのテスト」で総合的に判断されるイメージを持っておくと、情報の整理がしやすいかもしれません。

基準は固定ではなく、年度や母集団で揺れる

もう一つ押さえておきたいのは、早稲田アカデミーや日能研と同様に、特待の認定人数やボーダーは「固定されたもの」ではなく、年度や母集団のレベルによって変わるということです。
たとえば同じ偏差値でも、受験者数や上位層の厚みが違えば、認定に届くかどうかが変わってきます。
そのため、「偏差値○○を取れば必ず特待がもらえる」とは考えず、あくまで目安として捉えておくことが、お子さんのメンタルを守るうえでも大事だと思います。

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家計インパクトと免除される費用のリアル

４年生で特待を取れたときの年間インパクト

四谷大塚の４年生本科（４教科）の月謝は、約４万円とされています。ここにテスト代や季節講習費、教材費などを足すと、年間での負担はかなりの金額になります。
一方で、新４年特待で

• 授業料
• テスト代
• 必修季節講習
• 教材費

がほぼ全額免除されると、年間で数十万円単位の節約につながるケースも少なくありません。中学受験のトータル費用を考えると、家計にとっては本当に大きな意味を持ちます。

高学年での特待の効果

５・６年生になると受験勉強のボリュームが一気に増え、「通常授業＋各種講習」の費用がピークを迎えます。この時期に特待を維持できれば、中学受験の山場である高学年の家計負担を大きく抑えられることになります。
ただ、講習費までどこまで免除されるかは年度によって変わり得るため、「授業料だけなのか」「講習の一部も対象か」は必ず確認しておくと安心です。

進学くらぶ生が特待を受けた場合のイメージ

これも全統小決勝のときに責任者に直接確認したのですが、通信型の「進学くらぶ」にも、四谷大塚の特待生制度が適用されるルートがあり、どうも四谷大塚生よりも基準が緩い印象でした。
通塾に比べると月謝設定がもともと控えめですが、そこからさらに一部または全額が免除されるとなると、「できるだけ自宅ベースで学習したいけれど、費用も抑えたい」という家庭には大きなメリットになります。

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他塾の特待制度との違いと、わが家が感じた四谷大塚の特徴

早稲田アカ・日能研などとの共通点と相違点

サピックスを除き、早稲田アカデミー・日能研など、大手中学受験塾の多くが「成績優秀者への特待制度」を持っています。
共通しているのは、

• 対象は上位数％の成績層
• 公開模試など「誰でも受けられるテスト」を入口にしている
• 認定は年度・校舎ごとに柔軟に運用される

といった点です。
そのうえで、四谷大塚は

• 全国統一小学生テストの位置づけが特に大きい
• 進学くらぶ生を含めた「広い母集団」から選抜する側面がある

という特徴を持っていると感じます。

実際に特待案内を受けたときの保護者目線

先ほども少し触れましたが、娘が全国統一小学生テストの決勝大会に参加した際、私は会場で四谷大塚の特待担当の方から直接案内を受けました。
一人ひとりの保護者に声をかけており、私からあれこれと質問したせいでもありますが、

• 成績の目安
• 特待の範囲
• 進学くらぶとの相性

などを丁寧に説明してくださったのが印象的でした。
そのとき、「塾側も、本当に上位の子に対してはかなり積極的にアプローチしているんだな」と実感すると同時に、「我が家は現状の塾が合っているから、あくまで情報としてありがたく受け取ろう」と冷静に考えることもできました。

もっと広く特待制度の全体像を知りたい場合

四谷大塚だけでなく、サピックスや早稲田アカデミー、日能研など大手４塾の特待制度を横並びで比較したい場合は、別記事で制度の仕組みやリスクをまとめています。

• 中学受験の塾特待は狙うべき？サピックス・早稲アカ・日能研・四谷大塚の仕組みとリスクを保護者目線で徹底解説

こちらでは「どの塾の特待が一番得か」という視点ではなく、家庭の方針やお子さんの性格に合う制度はどれか、そもそも特待を優先すべきなのかという観点から整理しています。四谷大塚と他塾で迷っている方は、合わせて読んでいただくとイメージがつかみやすいと思います。

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特待を狙うときの親のスタンスと子どものメンタルケア

「取れたらラッキー」くらいの温度感で目標設定する

四谷大塚の特待生制度は、どうしても「上位ごく一部に与えられるボーナス」という性格が強い制度です。
そのため、特待を「絶対に取らなければならない目標」にしてしまうと、

• 成績が少し下がっただけで親子ともに必要以上に落ち込む
• 「特待維持」が目的化してしまい、本来の志望校対策がおろそかになる

といったリスクがあります。
現実的には「目指す価値はあるけれど、取れたらラッキー」という温度感で、お子さんと共有しておくのがちょうど良いと感じます。

テスト前後の声かけで意識したいこと

特待認定の入口になるテストは、どうしても緊張感が高くなりがちです。
わが家でも、娘が全国統一小学生テストを受けたときは、

• 事前には「今回はチャレンジ。今の実力を知るためのテストだよ」と伝える
• テスト後は「ここが解けるようになってきたね」と、できた部分を先に褒める
• 偏差値や順位は「今の立ち位置を知るための情報」として一緒に振り返る

といった声かけを意識していました。
特待の認定に届いたかどうかより、「テストを通じて何を学べたか」を言葉にしてあげることが、長い受験生活では大きな意味を持つと感じています。

特待が取れなかった場合の受け止め方

たとえ特待に届かなかったとしても、

• 偏差値が一定ラインを超えていれば、十分に難関校を狙える位置にいる
• 上位層の中で切磋琢磨していること自体が、すでに大きな財産

という見方もできます。
親としては、「特待に届かなかった＝失敗」ではなく、「十分がんばったうえで、たまたま枠に届かなかっただけ」というメッセージをしっかり伝えることが大切だと思います。
特待制度はあくまでオプションであり、中学受験の主役はあくまで子どもの成長と、最終的な志望校合格だという軸を、折に触れて共有していけると安心です。

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まとめ

四谷大塚の特待生制度は、中学受験塾の中でもかなり手厚い特待制度です。

一方で、具体的な偏差値や順位の基準は一部を除き非公開で、年度母集団のレベルによって変動するため、「○○を取れば必ず特待」という単純な話ではありません。あくまで目安を参考にしつつ、最終的な条件は在籍予定の校舎に確認するスタンスが現実的だと思います。

そして何より大切なのは、特待制度を「塾代の不安を軽くしてくれる可能性の一つ」として押さえつつも、塾選びや学習方針の中心は「お子さんに合う環境かどうか」で考えることだと私は考えます。四谷大塚が合いそうなら制度を前向きに活用しつつ、もし別の塾や学習スタイルの方がしっくりくるなら、そちらを優先する。そのくらいの柔軟さで向き合えると、親子ともに受験期を少しラクに乗り切れるのではないでしょうか。

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