男女御三家筑駒などの2022年サピックス合格率を入試報告資料から推定してみました

2022年5月9日塾選び,情報

塾選び

調べようと思った経緯

サピックスから最難関校に合格する人数の多さは誰もが感嘆するところですが、受験者数や合格率については謎に包まれています。特にサピックス以外の塾に通っている場合、サピックスの合格者数ではなく、受験者数、合格率が知りたいところです。

ということで、記事タイトルはサピックスですが、少しだけ日能研の話を。

少し前に、今年の日能研の入試報告であるオン・ザ・ロード2022に参加してきました。これが私にとっての今年のはじめての入試報告で、その後、Webで早稲田アカデミー、サピックス、四谷大塚、TOMASの入試報告を見てみました。

去年の今頃も、大手4社の入試報告をじっくり見ましたつもりでしたが、やはり娘の受験年が1年近づいたことで、今年のほうが、より真面目に、真剣に見ることができたような気がいたします

その日能研の入試報告であるオン・ザ・ロードに申し込むと、公式ホームページから「オン・ザ・ロード情報共有広場」というページにもアクセスできるようになります。

そこでは、例えば算数であれば、学校別難度平均ランキングや「2022」という数を使ったユニークな出題をした学校の一覧を、国語であれば、ことわざ・慣用句のランキングや学校別の読解文章総文字数・記述問題比率のデータなどを閲覧することができます。

それだけでなく、驚くことに、日能研の生徒が、どこの中学校を何人受けて、何人が合格したのか、また、偏差値で日能研の生徒を3つのゾーンに分けると、それぞれのゾーンで合格率が何%なのかまで確認することができます

通塾生でないのにここまで閲覧させていただけるのもすごいことだと思うのですが、それは感謝しつつひとまず置いといて、去年も同じようなデータを見ているのに、去年は意識できなかったというか気づかなかったことがありました。

娘は日能研に通っていないので、いわば無関係な私が記すのも恐縮ですが、一般的には日能研は実績が下がっているとか難関校には向かないとか言われてしまっている印象です。

しかしながら、「オン・ザ・ロード情報共有広場」の入試詳細情報を見てみると、「学校によっては合格率が低いとは言えない気がする」印象を受け、また、「いわゆる最難関校の受験者数がそもそも少ない」ことに、改めて気づきました

話が変わりますが、以前、中高一貫校の入学時の偏差値と高校卒業後の進路について調べているときに、いくつかの中高一貫校では、入学するのはかなり大変なのに、卒業後の進路は必ずしも目をみはるようなものではないということが少なからずありました。中学受験界でよく用いられる表現だと、「入学時の偏差値は〇〇もあるのに、東大合格者は毎年〇〇人程度」でしょうか。

なぜこのようなことが起きるのか、受験経験もない私にはいまいち理解ができませんでした。

中学受験が終わってからも引き続き頑張る子、中だるみしつつも後半頑張る子、最後まで頑張らなくなる子などなど、子どもたちのその後のパターンがいろいろあり、その分布が学校によって違うとしても、どうもそれだけでは説明しきれない気がしていました。

そのような中、あるとき、一因として、「入学時の偏差値が高い中学校だからといって、学校によっては、みんながみんなチャレンジするわけでもない」という情報をどこかでみて、そういう考え方もできるのかと思ったものでした。上の例だと「受験すれば東大に受かるかもしれなくても、受けないということのようでした。

受験する人数が増えないのであれば、学校からしたら、実績を伸ばしようがないだろうなと思ったものでした。そういえば、ドラゴン桜でも同じようなこと言ってた場面があったような。。。

ということで、中学受験に戻ると、これが塾でも同じことが起きているのでは?と、何を今更あたりまえのことをと思われるかもしれませんが、そう思いたちました。

つまり、日能研は最難関校を受験する子どもたちを集めにくくなっているだけで、頑張っている子は普通に合格を手にすることができる。逆に、サピックスは最難関校を受験する子どもたちを集めやすく、頑張っている子はもちろん合格することができる。ということです。ただ、それだけ。そして、娘が通う早稲田アカデミー(や四谷大塚)はその間なのでしょう。多分。

そうなると、サピックスから最難関校を受ける受験者数や合格率の情報が欲しくなります

プロの方を含めて、多くの人がSAPIXのテキストが優れているといい、志望校別の土特やSSを絶賛している

少なくとも私にはそのように見えるわけですが、そうであるならきっと合格率も他塾に比べて圧倒的に高いはずです。ぜひとも、サピックスのホームページで開示されている合格者数ではなく、受験者数、合格率が必要です

ということで、調べてみると、全くといっていいほど情報が出てきません。困ったものです。

きっと、同じことをたくさんのひとが考えて、諦め、目の前のことに集中することにしたのだと思います。私の場合、早稲アカにお世話になることを決めたのですから、本来であればサピックスのことを気にする暇があれば早稲アカのことを考えたほうがいいのかもしれません。

いや、でも、気になるじゃないですか。わからないことを調べるのって面白いし。

そんな時、ちょうど手元に受け取ったばかりのSAPIXの入試報告資料があったので、眺めていたら閃きました

方法

使った資料は、サピックスのマイページから申し込むことができる「2022年度【首都圏】中学入試分析会(資料希望)」でいただくことができる「2022年度版合格力判定資料」です。この資料には、筑波大付属駒場、開成、麻布、駒場東邦、慶應普通部、桜蔭、女子学院、雙葉の8校について、詳細なデータが記されています

この中の、合格力判定サピックスオープンにおける合格者・不合格者の分布を示したグラフを用いました

グラフのイメージとして、エクセルで適当に数値を入力して作成したグラフを以下に示します。

サピックス2022年度版合格力判定資料の学校別合格不合格分布イメージ図
サピックス2022年度版合格力判定資料の学校別合格不合格分布イメージ図(クリックで拡大します)

偏差値2刻みごとの合格者数、不合格者数の分布がわかるグラフです。しかしながら、縦軸が不明なため、各偏差値で合格した人、あるいは、不合格だった人の実際の人数はわかりません。折れ線グラフですので、左の縦軸と右の縦軸で異なる単位や尺度を1枚の図に表すこともできるはずですが、左にも右にも何も記載がありません。

でも、今回は、このグラフ内で80%、50%、20%の割合が計算されているわけですし、縦軸は合格者数と不合格者数でまず共通と思われます。ということは、合格者と不合格者の間で、縦軸を見れば相対的な人数比はわかりそうです。

これを偏差値ごとに考えればよいわけですので、面積を使えば良さそうと考えました。

つまり、以下のようにグラフを見てみます。

合格者数と不合格者数の考え方
合格者数と不合格者数の考え方(クリックで拡大します)

左の図のように、横軸と合格者のグラフで囲まれた面積(積分値)を合格者数とみなします。そして、右の図のように、横軸と不合格者のグラフで囲まれた面積を不合格者数とみなしてみます。

すると、合格者はサピックスのホームページで公開されていますので、面積比で比例計算すれば、不合格者数を推定できそうです。不合格者数を推定できるのであれば、総受験者数も推定できます総受験者数が推定できるなら、合格率も推定することができます

さて、肝心の面積ですが、画像解析ソフトであるImageJを用いました。グラフを目視で追って、領域を選択し、ImageJに解析させます。

ImageJによる合格者数の解析
ImageJによる合格者数の解析
(クリックで拡大します)

すると、右上のように面積が出力されます。この出力された面積を使って、合格率を計算していきます。

結果

繰り返しとなりますが、この推定ではグラフの面積を必要としますので、グラフがない中学校については推定することができません。そして、この合格者と不合格者の分布が分かるグラフが掲載されているのは、筑波大付属駒場、開成、麻布、駒場東邦、慶應普通部、桜蔭、女子学院、雙葉の8校のみとなっています。

また、目視による点の読み取りが甘い可能性があります。さらに、不合格者が偏差値40でもゼロになっていない場合は偏差値40以下の傾き、あるいは、40~42の傾きなど妥当な直線を外挿してゼロ点を決定していたりします。そして、合格力判定サピックスオープンを受験していない子もいるでしょうから、サピックスのみが知っているだろう、各中学校の真の合格率と比べると、いろいろとズレが生じていると思います。

それでも、なにもわからないよりかは良いだろうということで、この方法で合格率計算を試してみました。それでは、結果を紹介いたします。

合格者面積 不合格者面積 合格者数 不合格者数 受験者数 合格率[%]
筑波大付属駒場 114213 174579 104 159 263 39.5
開成 212989 169731 283 226 509 55.7
麻布 188024 182658 192 187 379 50.7
駒場東邦 262407 119368 199 91 290 68.7
慶應普通部 201533 172236 141 121 262 53.9
桜蔭 254865 128751 187 94 281 66.4
女子学院 157687 225480 128 183 311 41.2
雙葉 143795 182964 57 73 130 44.0

合格者面積・不合格者面積:ImageJによる解析結果
合格者数:サピックス発表
不合格者数(推定値):合格者数÷合格者面積×不合格者面積
受験者数(推定値):合格者数+不合格者数(推定値)
合格率:合格者数÷受験者数(推定値)

なんだか、それっぽい結果は出てきました。とりあえず、サピックスの受験者数が、ここでは記していない学校の総受験者数を上回るようなトンデモな結果にはなっていなそうですが。

が、こうやって見てみると・・・合格率、高いのかな??倍率も違うこともありますが、結構、学校によって異なりますね。

でも、圧倒的実績をもつSAPIXですから、「サピックスに行けば最難関校に合格できる!」的なイメージを持っている人にとっては、お子さまがお通いの塾の情報と比べてみると、「意外とそこまででもないかも・・・」という印象を持つかもしれません。

私はSAPIXERは以前から知っていましたが、娘には見せたことがありませんでした。このSAPIXERというのは、サピックスが発表している各中学校の合格者総数ではなく、サピックスの各校舎ごとの各中学校合格者数が、ここ10年分くらいわかってしまうもので、有志の方々が作成されたらしいものです。

そして、このサピクサーの結果を早稲アカ基準で見ると、どこのSAPIXの校舎も、ありえない実績に見えてしまいます。それぐらい1つ1つの校舎の実績が群を抜いているように見える結果となっています。

今後、絶対に自分の成績を過信してはならないことを伝えたかったために、ついこの前、娘にも一緒に見てもらったのですが、「これ、すごいね、さすがサピックス」と穴を見つけようにも見つからない、感心以外にすることがないというくらい、まさに圧倒的な内容でした。いや、本当は、データ分析の一環として、10年分並べて、「あれ、これよく見ると・・・」とか、娘とはいろいろやりとりしましたが。

ということで、私も、サピックスはどこの学校も7割とか8割くらい合格してるような印象を持ってしまっていました。2月の勝者の黒木先生も「もしも私が現在保護者だとして、「『わが子を是非とも御三家に入れたい』と真剣に考えていたら、塾選びにはなんの迷いもしません。『フェニックス一択!』です!」と、たくさんビックリマークつけて言ってましたし

そのため、こうしてみると、裏には相応の受験者がいるのだなという感想となりました。もっとも、ここまでしなくても、グラフの不合格者の方を見れば、分かることではあったのですが。。。

ということで、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研にお通いのお子さまをお持ちの方は、「うーん、さすがサピックス」とか、逆に、「子供が通っている塾と、そこまで変わらないかも」とホッとするかもしれません。

なお、多くの受験者を抱えるSAPIXですら、年度によってグラフ形状が大きく異なる学校もありますので、合格率も年度によって大きく変わる可能性もあります。また、日能研の入試報告の詳細データは2年前から持っているので、3年分を見比べてみると、受験者数が少ないための合格率のブレも大きいかもしれないと思いました。(追記:調べてみました。少しあとにリンクがあります。)

肝心の早稲アカのデータがほとんどなくて困っているのですが、気が向いたら、次は可能な範囲で横並びで眺めてみたいと思います。

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以下は、こちらの記事の続編です。2022年だけでなく、2021年と2020年についても調べて比較してみました。

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Posted by ぜろパパ