サピックスなら誰にでも超難関校に合格する可能性があるのか?他塾では?

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これまでの概要

これまで、サピックスが公開している合格者数以外に参考となりそうな、受験者数、合格率を、入試報告資料を解析して推定してきました。学校によって差がありますが、サピックスの最難関校合格率は、筑波・雙葉が3割~4割、慶應普通部・女子学院が4割~5割、開成・麻布が5割~6割、駒場東邦・桜蔭が驚異の6割~7割という推定結果となりました。

また、続編として、サピックスでのそれぞれの中学校の合格者の分布の上位層にいるだろう「まず間違いなく合格できる!」と、合格の確信を持って受験しに行った子の数を推定してみました。こちらは、結果として全体のごく一部にすぎず、80%偏差値を安定的に超えているようないわゆる「鉄板」といえる状況だとしても、まさかの事態である番狂わせが発生する確率はかなり残ってしまうようだという結果でした。

娘は早稲田アカデミーに通っているわけですが、サピックスでこのような結果でしたので、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研などの他塾では、それよりも良い状況ということはないと考えるのが保守的で無難なのだろうと思っています。

つまり、どんなに成績が良くても、どんなに順調に成績が上がっていっても過信は危険であり、ましてや、4年生や5年生で多少成績がよいからといって油断するのは厳禁であることが示唆されました。

今日は、そのさらに続編です。

今回の試み

中学受験を考えている場合、「二月の勝者」を読んでいる方はとても多いと思います。私は中学受験の経験がなく、また、娘の伴走も道半ばですのでリアリティについては判断できないのですが、中学受験経験者や関係者からも「現実を反映していない創作だ!」のような否定的な意見をほとんど見ないよう印象をもっています。そのため、かなりリアルな中学受験が描写されているのだと思います。

そうだとすると、出てくる子どもたちみんなが個性的で魅力的なので、みんな気になるところではありますが、私が個人的に一番気になってきたのが「今川里依紗ちゃん」です

二月の勝者の中で、大きな問題を抱えてしまった家庭といえば、まっさきに島津順くんが挙がると思います。島津家では、父親がトラブルの中心となり、結果として、「島津る」などという不名誉な動詞まで生み出されてしまいました

もう一つ挙げると、今川家ではないでしょうか。私は島津家が大炎上しているときでも、こちらの方が気になっていました。

島津順くんは熱い思いと強い意志、母親への優しさ、そして、何よりも「自信」を持っているのが読み取れました。一方、今川里依紗ちゃんは、漫画の中では最終的には丸く収まるのだとは思いますが、ほとんど最後まで、自信を持つことが難しい形での受験生活になってしまったように思っています。

我々のような大人でも、例えば、毎日毎日、自信を持てずに仕事をしなければならないとすると、相当きついと思います。それが長期間に及ぶと、もはや心が壊れてしまうかも知れません。

ここで、受験本番を考えると、自信を持てずに受験に望むというのは、模試での合格率的に合格がかなり厳しい状況でも挑戦する場合かなと思いました。

本当に知りたいのは娘が通う早稲アカの状況です。市場から「熱血熱血!」言われていますし、小学4年生のときに娘が受験したトップレベル模試の説明会の話を聞く限り、明らかにサピックスを意識しています。お世話になっている校舎の方々とやり取りしている中ではそのような雰囲気は感じませんが、「無茶な受験をさせる塾なのでは・・・」という不安は正直なところ少しあります。

しかしながら、困ったことに早稲アカの状況を解析するためのデータがないので、これまで同様にサピックスのデータを使って推定し、無理やり外挿することにしました。

推定するのは、「合格率的に合格が厳しい状況でも挑戦する子が、サピックスにはどれだけいるのか?」です。具体的には、20%合格率偏差値以下の子と、0%合格率偏差値以下の子の人数を調べてみようというのが今回の試みです。

使うのは、お馴染み、合格力判定サピックスオープンにおける合格者・不合格者の分布を示したグラフです。再掲ですが、グラフのイメージとして、エクセルで適当に数値を入力して作成したグラフを以下に示します。

サピックス2022年度版合格力判定資料の学校別合格不合格分布イメージ図
サピックス2022年度版合格力判定資料の学校別合格不合格分布イメージ図(クリックで拡大します)

基本的な考え方は過去記事をご参照いただくとして、今回は合格率20%以下の子たち、0%の人数を推定したいので、以下の部分を使います。

合格率20%と合格率0%
合格率20%と合格率0%のイメージ(クリックで拡大します)

グラフ内にある20%偏差値よりも左側の範囲、つまり、うすい灰色の面積を合格率20%以下の不合格者とします。また、合格率が立ち上がっていない部分の最高偏差値を特定し、不合格者分布の折れ線グラフと横軸の垂線で結び、それよりも左側の範囲、つまり、濃い灰色の部分合格率0%受験者とみなすことにしました。

あとは過去記事と同様です。合格者はサピックスのホームページで公開されていますので、面積比で比例計算すれば、不合格者数を推定できます。不合格者数を推定できるのであれば、総受験者数も推定できます。総受験者数が推定できるなら、合格率20%以下の不合格者や、合格率0%受験者人数も推定することができます。

なお、画像解析ソフトはいつものImageJを用いました。グラフを目視で追って、領域を選択し、ImageJに解析させます。

厳しい受験をする人たちの結果と考察

これまでデータの信憑性のため、面積も提示していましたが、表が大きくなりうまくまとめられないため、今回は省略いたします。

そして、以下が、学校ごとの、3年分の合格者数、不合格者数、受験者数、合格率20%偏差値、そして、合格率20%不合格者数と合格率0%受験者数です。

筑駒 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 104 159 263 63 88 30
2021 86 193 279 63 117 24
2020 94 211 305 63 134 37
開成 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 283 226 509 58 71 28
2021 269 249 518 58 74 31
2020 286 254 540 58 82 11
麻布 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 192 187 379 51 69 16
2021 207 155 362 48 22 7
2020 183 197 380 53 107 12
駒東 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 199 91 290 48 24 16
2021 172 126 298 46 19 5
2020 183 121 304 48 33 0
慶普 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 141 121 262 49 61 15
2021 132 117 249 48 53 21
2020 104 136 240 50 78 25
桜蔭 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 187 94 281 53 34 15
2021 160 116 276 53 22 21
2020 172 112 284 53 32 4
JG 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 128 183 311 53 66 33
2021 145 134 279 52 62 25
2020 148 150 298 52 62 22
雙葉 合格者数 不合格者数 受験者数 20%偏差値 20%不合格数 0%受験者数
2022 57 73 130 48 22 5
2021 54 94 148 50 54 12
2020 61 80 141 48 29 22

合格者数:サピックス発表から引用
不合格者数(推定値):合格者数÷合格者面積×不合格者面積
受験者数(推定値):合格者数+不合格者数(推定値)
合格率20%偏差値:入試報告資料の目盛り読み取り
合格率20%不合格者数:合格率20%不合格者率×受験者数(推定値)
合格率0%受験者数:合格率0%受験者率×受験者数(推定値)

入試報告資料のグラフを見てみると、合格率20%以下の受験者はけっこういるように見えて、計算してみると、やっぱり結構います。学校によって差がありますが、筑駒は少し特殊と思うので例外として、1~2割というところですね。

実際には合格率20%の線上だと合格率が20%ということで、偏差値が下がるに連れて、合格率は15%、10%、5%、そして、ついには0%になるわけです。合格率0%で受験している割合も学校によって差がありますが、数%から1割ですね。

前回、ほぼ合格を確信できる合格率100%の人数も同じように数%から1割でした。そして、割合としてはかなり少ないようだと紹介しました。

今回、同じような数値なのですが、個人的には、なんとなくとても多く感じてしまいました

おそらく、合格率100%な子の人数を考えるときは自信に満ち溢れている明るいイメージをを持つのに対し、合格率0%な子の人数を考えるときは自信を喪失して絶望的な暗いイメージをを持ってしまうからでしょうか。同じ数値でも、ポジティブな数値とネガティブな数値では印象が変わります。

さて、厳しい挑戦をするには、本人、親、塾の意向があると思います。

本人が望むケース

ある学校に憧れ、これまで頑張ってきたのだから、たとえ無謀でも挑戦したいという子もいるでしょう。受験料はかかってしまいますが、親としては悔いのないよう頑張ってほしいと思うかもしれません。たとえ自信はなくても、中学生になってから励みとなる可能性が十分にある気がします。特に今回の結果は最難関校のものばかりですので、憧れなどが強く出て挑戦したいと考える子も多くなる傾向があるのかも知れません。

でも、私なら、別の学校を探すなどして、まずは思いとどまるように説得すると思います。あれこれ話してもそれでもなお、というのであれば、きっと受験に同意する、というか、禍根を残しかねないので、同意せざるをえないと思いますが。。。

本人は望まないのに、親が受けて欲しいケース

まさに二月の勝者の今川里依紗ちゃんですね。上記の結果を見る限り、一定程度いる、状況が厳しい挑戦者のうち、たとえ最難関校であっても、全員が本人が望むケースとも考えにくい。むしろ、親がペラペラと志望校を周囲に話したりしていて、引くに引けないなども考えられる?となると、やはり、このケースもある程度現実に起きているということなのか。。。

子供にとってメリットを見出し難い、絶対に避けてあげたいケースのように見受けられます。

塾に言われて受験するケース

あえて分けましたが、子供が同意していないのであれば、親が受けてほしいケースと同意のように思います。でも、いずれにしても、このケースは有り得そうなはなしですが、あまりないのではないかなと思っています

サピックスはもはや一人勝ち状態ですので、何十人も受けさせて1人とか2人の合格者数を欲するだろうかと思っています。受けさせれば受けさせるほど合格者数はわずかに増えるかも知れませんが、公開しないとはいえ合格率は下がってしまいますし、他の学校を受けてもらってそちらの合格者数を増やしたほうが塾の実績としてもよいように思います。

むしろ、喉から手が出るほど、その合格者1人、2人を欲しがりそうなのはサピックス以外の塾であり、特に、サピックスを相当意識している早稲アカなのでは・・・などと考えてしまいます。いや、しかし、他の学校の実績を取りたいのはSAPIX以外の塾も同じはずなので、そんな極端なことはするはずないだろう・・・。え、とすると、やっぱり親が受けさせるケースが多いのか?と、結論が出ずにぐるぐる回ります。

いずれにしても、私が娘にとって難しい受験を塾から勧められたとしたら、まずはとりあえず勧めてくる根拠を聞きはしますが、本人の意志がない限りは絶対に受験させないことを選択します。

ということで、

・合格率が20%未満でも0%でも、その学校を受験する子は一定数いる

・本人の意志なのか、親の意向なのか、塾の考えなのかはわからない

・それでも、根拠ないけど親の意向の割合が多いのかも。。。注意するのは「島津る」だけ?「今川る」もでは?

という教訓となりました。

とうとう、入試報告のデータをあれこれ考察するアイディアが尽きましたが、結構いろいろなことが読み取れたような気がします。みなさまの参考になれば幸いです。

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Posted by ぜろパパ