私立中学校の学費は無償化される?制度の仕組みと保護者が知るべきリアルな実情
近ごろ、「私立中学校の学費も無償化されるのでは?」という声を耳にするようになりました。高校無償化施策の延長に期待が寄せられているのかなと思います。学費の負担を心配するご家庭にとって、こうした支援制度の動向は非常に気になるところではないでしょうか。



実際、我が家も中学受験を検討しはじめた頃、「子どもが3人いるので、けっこう大変だな・・」という現実に直面しました。そこで今回は、「私立中学校の学費が無償化されるのか?」という疑問に真正面から向き合いながら、現在の制度や支援内容、注意点、そして実際の声などを交えて詳しくご紹介していきます。
制度の全体像:私立中学校の学費無償化は実現しているのか?
現状の制度では無償化されていない
現在、私立中学校の学費は「完全無償化」されていません。対象となる支援制度はあるものの、公立高校のような全国的な無償化とは異なり、条件や対象が限られています。
支援制度は「就学支援金」などに限られる
文部科学省や各自治体が導入する「就学支援金制度」はありますが、中学校段階で対象となるケースは稀です。対象となるのは主に私立高校や特定の所得条件を満たす世帯です。
都道府県や市区町村によって対応が異なる
特に注目したいのが、自治体独自の支援策です。東京都や大阪府など、いくつかの地域では私立中学生向けに補助金や助成制度が用意されています。とはいえ、「学費全額無償」といった手厚い内容には至っていません。
学費の内訳と相場感:実際にいくらかかるのか?
年間費用の目安と総額
一般的な私立中学校では、年間の学費(授業料)は約40~60万円前後。これに加えて、入学金(10~30万円)や施設費、教材費、制服代、修学旅行費などが発生します。3年間での合計は「150万~250万円」が相場とされています。
「学費」の内訳:意外に見落としがちな項目も
- 授業料:教育の基本費用で、年間で40万円前後が目安。もちろん、例外はいくらでもある。
- 入学金・施設費:初年度に一括で支払う学校が多い。
- 給食費・活動費:学校生活を支える費用。毎月の引き落としが多い印象。
- 制服や学用品代:初年度にまとまった支出があり、意外に高額。
私の場合も、制服と教材などの購入が必要で、入学前に合計40万円ほどかかった記憶があります。説明会では「授業料だけ見てはいけません」と念押しされたのも印象に残っています。
公立との費用差
公立中学校は、授業料は基本的に無料です。ですが、給食費や学用品代などの実費はかかります。総じて年間10万円程度。つまり、私立と公立では年間で30~50万円以上の差が出ることになります。
「無償化」に近づく現行支援制度の種類と注意点
1. 就学支援金制度(私立高校が中心)
私立中学では適用外の場合が多いですが、高校進学時に無償化の恩恵を受けられるため、長期的な視点では教育資金の計画に役立ちます。
2. 自治体による学費補助制度
例えば東京都では、「私立中学校授業料軽減助成金制度」を通じて、年間10万円の補助金を受けられます。以前は世帯収入や住民税額による制限が厳しかったようですが、今は所得制限がなくなっています。学校から案内があるので従っていればよいですが、申請時期が限定的で注意が必要です。
3. 特待生・奨学生制度
成績や実績に応じて授業料の半額~全額免除となる制度もあります。学校ごとに条件は異なり、試験結果や入学後の成績によって継続性が左右される点には注意が必要です。
私の娘の場合は、併願した学校で複数年の授業料全額免除の案内をいただきました。結果的に他校に進学しましたが、特待制度の存在は非常に心強いと感じました。
4. 就学援助制度(公立小中学校が対象)
中学生の保護者向けに給食費や学用品費を補助する制度で、公立校が中心ですが、自治体によっては一部の私立通学者も対象となることがあります。
制度活用のために保護者が知っておくべきこと
所得制限と「住民税非課税世帯」対象の条件
多くの支援制度には厳密な所得条件が設けられています。「住民税非課税世帯」や「年収目安400万円未満」が目安になることが多いようです。
申請時期・書類・証明書の提出
申請は毎年春~夏頃に実施される自治体が多いです。保護者が忘れずに行うべき重要なアクションです。住民票、収入証明、通学証明書など、事前に必要書類を揃えておくのが肝心です。
制度変更の可能性を常にチェック
支援制度は年度ごとに変更される可能性が高いです。常に学校や自治体のホームページをチェックし、説明会なども積極的に活用しましょう。
まとめ
「私立中学校の学費が無償化されるのか?」という問いに対して、現時点では「制度としての無償化はまだ実現していない」というのが結論です。ただし、自治体や学校ごとの支援制度、助成金、特待生制度を活用すれば、費用を軽減することが可能な状況です。
中学受験を目指すご家庭では、各支援制度に頼らなくても問題ない経済的な計画をしているとは思います。とはいえ、支援があれば助かるのは事実と思いますので、無償化に期待しつつも、現実的な準備と情報収集が、家庭にとっての安心につながると信じています。
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