小学生にスマホを渡す前に知っておくべき「デメリット」大全|家庭でできる現実的な対策と我が家の工夫
小学生にスマホを持たせるかどうかは、家庭ごとに事情が違いますよね。私も娘の中学受験を見据えながら悩みました。便利さの裏側に、見過ごしがちな「デメリット」がいくつも潜んでいることを知って、導入の仕方を慎重に考えるようになりました。



この記事では、感情論に走らず、家庭で実際に起きやすい不都合を整理し、今すぐ取れる対策まで一気通貫でまとめます。途中で、私の体験も交えますので、具体的なイメージづくりに役立ててもらえたらと思います。
スマホ固有の学習・健康リスク
注意散漫と集中の分断
学習中の通知やおすすめ動画は、子どもの注意を細切れにしがちです。短時間に何度も注意が外れると、記憶の定着も悪化します。家庭学習では「机にスマホを置かない」「通知は学習時間だけ停止」など環境ごと切り替える発想が効果的だと感じます。
睡眠の質の低下
就寝前のブルーライトやSNSのやり取りは入眠を遅らせ、睡眠の質を下げる要因になります。ベッドサイドでの「ついチェック」を避けるため、充電は親の寝室・共用スペースに固定するのが現実的でした。朝の寝不足は、翌日の学習効率にも響きます。
視力・姿勢の問題
近距離での長時間利用は、眼精疲労や姿勢の崩れにつながります。タブレットより画面が小さい分、目への負担が強くなる場合も。連続使用は15~20分を上限にして小休止をはさむ、机での使用を基本にするなど「使い方の姿勢」を家庭ルールに入れておくと守りやすいです。
依存傾向と報酬設計
ソーシャルゲームやショート動画は「報酬設計」が巧みで、やめ時が難しいのが正直なところ。時間そのものを悪とせず、「まずはやるべきこと→楽しむ」の順序を固定すると、罪悪感なしにコントロールできます。数値の上限だけでなく、やること順のルールが効きます。
ネット・コミュニケーションの危険
SNS・チャットでのトラブル
既読や返信速度が「関係の温度計」になりやすく、誤解や摩擦が起きがちです。小学生はニュアンスの読み取りが難しく、スタンプ一つで受け取りが変わることも。「困ったらすぐスクショ」「親に見せてOK」の合意を先に作っておくと救急箱になります。
私の場合、小学生を相手に高度なルールを用意するのは難しいと考え、SNSなどは一律で不許可とすることにしました。これにより、この後の課題を考えなくて良いことになります。
誹謗中傷・匿名性の壁
匿名掲示板やオープンなSNSでは、不用意な発言が炎上の火種に。投稿前に「本名・学校・日付・位置情報に直結しないか」を口頭でチェックする習慣を付けると、ヒヤリハットを減らせました。「顔と制服のセット投稿NG」のような具体的禁止例も効きます。
個人情報・位置情報の漏えい
写真の「背景」や「EXIF情報」から、生活圏が推測されることも。位置情報は原則OFF、共有アルバムは家族限定が基本線。アプリの権限は最小限、フリーWi-Fiでは個人情報の入力をしないなど、技術的ガードレールを最初に敷きます。
課金・不正請求・詐欺
ゲーム内課金や偽サイト誘導は、子どもの判断力を超える設計で迫ってきます。決済手段を親の承認付きに限定し、「落ち着いて一度相談した人が勝ち」という“相談がカッコいい”文化を家庭内で作ると回避率が上がります。
なお、最新データや家庭ルール作りの基本は、所持率とルール設計を扱った関連記事にまとめています。
家庭・生活面で起きがちなこと
家族の会話が減る
移動時間や食後の団らんが、静かな「各自スマホタイム」に置き換わると、宿題の抜けや気持ちの変化が見えにくくなります。食卓と寝室はノースマホ、帰宅~就寝までの「見える時間」を増やす運用が、一般的かもしれません。
でも、スマホは使いませんでしたが、食事中のテレビはOKとしていて、子供は話もするけどテレビにも集中していましたね。勉強が忙しくなると、テレビの時間も貴重で重要なリラックスタイムとなるため、むやみな禁止と会話の強制は逆によくないと考えました。
兄弟姉妹間の不公平感
年齢差によるルールの違いが、「ズルい」感情を育てることがあります。「上のこのときはどうだったかな?」となってしまう場合には、年齢別の段階表(例:低学年=通話のみ/中学年=家族LINE可/高学年=検索・地図OK…)を紙で見える化し、「誕生日で一段階アップ」のように透明な基準にすると納得感が出る、という方法も考えられます。
月額費用・破損の負担
端末代や通信費、ケース・フィルム・修理費まで含めると、家計インパクトが小さくありません。格安プラン+Wi-Fi徹底+中古端末の活用など、費用の枠を先に決めてから機能を選ぶ逆算が安全です。
我が家のケース(体験談)
私の場合は、早稲田アカデミーの通塾開始に合わせて、連絡専用+LINEのみで渡しました。アプリのインストールは親承認、スクリーンタイムで夜は自動ロック。中学入学後も、「やるべきこと→楽しむ」順序と、見直しは継続しています。
詳しい考え方は、既存記事「小学生にスマホは必要?親が迷う理由と我が家の選択」でも触れています。
学齢別に変わる「つまずきポイント」
ここでは、通塾開始から使うことにしたスマホだけでなく、低学年や未就学でも使ってきていたタブレットについても含めています。
低学年:操作はできるが判断は未熟
読む力・因果の理解が未完成で、広告や誘導に脆弱です。ホーム画面は最小限が現実解。「楽しむ」「学ぶ」として使い方の目的を限定すると安定します。
高学年:連絡手段と中学生への橋渡し
「楽しむ」「学ぶ」に加え、連絡のための手段が加わります。中学生になってからいきなりスマホを渡すよりも、機能は最小限でも小学生のうちから触れる機会を作ったことは良かったのかなと思っています。
デメリットを最小化する「現実的な」対策
家庭ルールは「合意・可視化・更新」の3点セット
親が一方的に決めたルールは長続きしません。家族会議で決め、紙に書いてサイン、月1回の見直しまでをワンセットに。「時間」だけでなく「場所」「目的」「相談の仕方」まで含めるのがコツです。
技術で守る:フィルタリングとスクリーンタイム
フィルタリング(Web制限)・アプリごとの時間制限・夜間自動ロック・位置情報共有は、「最初に」まとめて設定すると後で揉めません。決済・ダウンロードは親承認にして、課金の入口を物理的に閉じるのが基本。
中学受験モードの運用
テスト前は通知OFF・学習アプリ以外は隠す・充電は共用スペースをテンプレ化。終わったらリバウンドの「ごほうび時間」を先に確保しておくとよさそうです。「やる→楽しむ」の循環が崩れなければ、デメリットは管理可能です。
使い方教育:ITリテラシーを「家庭科」に
我が家では中学入学以降でしたが、SNSを使わなくても、Webでの検索などをするようになったら、「拡散」「二次利用」「炎上」などの概念語を日本語で説明し、親子でロールプレイをすると腹落ちします。「スクショで証拠を残す」「困ったら相談が最短ルート」の行動ルールを、口に出して練習しましょう。
まとめ
スマホの「デメリット」は、端末そのものではなく、使い方の設計次第で大きくも小さくもなります。
注意の分断・睡眠・視力・依存・SNSトラブル・費用。いずれも家庭の合意・技術設定・使い方教育で、かなり抑え込めます。私の場合も、連絡の利便と安全の両立を優先し、段階表・承認制・夜間ロックで運用してきました。
メリットを取り込みつつ、デメリットは「見える化して手当てする」。この発想が、小学生のうちに「自分でコントロールできる力」を育てる近道だと感じています。
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