小学生のスマホ使用時間「平均」はどれくらい?最新データの読み方と家庭で使える現実的な目安
「小学生のスマホ、みんなは1日に何時間くらい使っているの?」
受験学年が近づくほど、この問いが気になってきますよね。私も子供の動画視聴が増えてくると、宿題や睡眠などとのバランスが不安になりました。



この記事では、最新の公的統計の「見方」をやさしく解説しつつ、家庭で使える現実的な目安と可視化のコツをまとめます。
平均値は便利ですが、「平均=正解」ではありません。各家庭の生活リズムに合わせ、「用途」「曜日」「学年」別に線を引く。そんな運用の具体手順まで落とし込みます。統計やグラフへのリンクも添えていますので、必要に応じて一次情報をご確認ください(内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」など)。
小学生のスマホ使用時間「平均」を正しく読む
「平均」の落とし穴:分布・中央値・週合計との違い
ネットやニュースで見かける「平均○分」は、利用時間の「真ん中」を示すわけではありません。極端に長い子が一部いると、平均は引き上げられます。家庭で線引きをするときは「中央値(真ん中の子)」や「分布(どの層がどれくらい)」を意識したいところです。
また、1日平均と週合計は混同されがち。週合計を7で割った「見かけの平均」は、休日偏重の実態を隠してしまうことがあります。
主要データの場所と見方:まずは一次情報へ
日本の公的データは内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」で、機器別(「スマートフォン」など)×年齢層の利用時間が公開されています。最新年のデータに触れれば、平日・休日や年齢階層の傾向を自分でも確認可能です。記事やSNSの要約だけで判断せず、元データを一度のぞく。これだけで、数字の解像度が一段上がります。
平日と休日、低学年と高学年
一般に、休日は平日の倍近くに伸びやすい傾向があります。学年が上がるほどスマホの利用は長くなりやすく、動画・ゲーム・連絡(SNS/チャット)のいずれも比重が増えます。
とくに高学年は「連絡」用途が勉強時間のスキマに入り込みやすいため、通知管理が効きます(後述の可視化とセット運用が有効)。
勉強・睡眠との関係:「時間」だけに頼らない設計
睡眠の質は「次の日の学習効率」に直結
「就寝60分前は画面オフ」などの睡眠ルールは、学力よりも翌日の機嫌と集中に効きます。寝る直前の明るい画面や刺激的な動画は、入眠を遅らせがち。まずは寝る前の用途をゼロに寄せるだけでも、朝の機嫌と学習の立ち上がりが変わります。
宿題・塾のある日/ない日で別ルール
平日と休日を同じ分数で管理しないのがコツ。塾や習い事のある日は通知のサイレント化を前提に、移動・連絡に限るショートユースに。塾のない日は動画・ゲーム枠を許容し、「宿題→風呂→夕食→自由時間」の順で「先にやるべきこと」を完了させてからにします。
「時間」より「文脈」:なぜ・いつ・何を
同じ30分でも、夕食前の息抜きと就寝直前の刺激では影響が違います。「なぜ(目的)」「いつ(時間帯)」「何を(用途)」の3点をセットで評価すると、時間の多寡だけに縛られず、家庭内の争いが減ると感じます。
受験期のボトルネックは「通知」と「切り替え」
高学年・受験期は通知の断続的な介入が集中を削りがち。集中ブロック(通知オフ)を19:00–21:00などで固定し、連絡は親経由に寄せると、勉強への「入り」と「抜け」のロスが減ります。
家庭でできる計測と“見える化”の型
iPhone/Androidの標準機能を「運用」する
iPhoneの「スクリーンタイム」、Androidの「デジタル・ウェルビーイング」や「ファミリーリンク」でアプリごとの時間などをチェック。アプリ上限(例:「動画は平日30分」)と通信制限(夜間オフ)を親端末から一括設定できると、口頭の注意より摩擦が少ないです。
週1の「家族ミニ会議」でグラフ確認
日曜の夕食後10分でOK。先週の実測グラフを一緒に見て、よかった点を先に称賛→次週の調整だけ決める。紙の「見える化シート」に平日/休日・動画/ゲーム/連絡の四象限で書き出すと、小学生でも納得しやすいです。
目安ラインの作り方:年齢×曜日×用途
たとえば中学年なら、平日「動画20–40分+連絡10–15分」、休日「動画60–90分+ゲーム30–60分」からスタート。学期・模試前後で可変にし、「がんばりポイント」を可視化して増減します。固定一点張りより、「調整できる」設計が続きます。
リセット手順:崩れた週の立て直し
旅行や発熱の週は崩れて当然。翌週の最初に「リセット宣言」→3日間だけ控えめ設定→木曜に中間確認→日曜に通常運転へ。回復ルートをテンプレ化しておくと、叱責より前向きな会話になりやすいです。
学年別・用途別の現実的な「目安」
低学年(1–2年)
連絡は親同伴、動画は平日15–30分、休日30–60分を起点に。寝る前は完全オフ、屋外・家事の手伝いとセットで総量を調整。この時期は「習慣をつくる」ことが主目的です。
中学年(3–4年)
連絡は家族グループのみ、動画は平日20–40分、休日60–90分。ゲームは休日のみなど用途で線引き。通知の扱いと時間帯ルール(夕方まで/夜はオフ)で自律の芽を育てます。
高学年(5–6年・受験期含む)
平日:通知オフの集中ブロックを2時間確保。動画は平日15–30分の「ごほうび枠」、休日は90–120分の範囲で用途ごとに配分。模試・直前期は週単位で見直し、成果に応じて増減します。
用途別の扱い:動画・ゲーム・SNS/連絡
動画は学習系と娯楽系で枠を分けると透明性が上がります。ゲームは課金・チャット機能・対戦頻度を基準に年齢制限。SNS/連絡は「誰と・何を・何時に」を可視化し、「夜は親が窓口」でトラブルを回避。
ルールと契約:破られる前提で回す
家庭ルールの雛形
「約束は『守らせる』より『運用する』」が肝心。破られる前提でエスカレーションの段階とリセット手順を決め、合意文に落としておくと揉めにくいです。こちらの記事に詳しくまとめています。
所持率と同調圧力への向き合い方
「みんな持っているから」は強い圧です。所持率の推移を把握し、自宅の方針をデータで言語化しておくと、親同士の情報交換や子への説明がスムーズになります。
合意→運用→見直しのPDCA
①合意(用途・時間帯・通知・課金)→②運用(スクリーンタイム+週次ミニ会議)→③見直し(学期・模試・長期休み)のPDCAを「静かに回す」。強く叱る前に、まず可視化。数字が対話を助けると実感しています。
よくある詰まりと解決
「減らしたいのに減らせない」ときは、時間総量ではなく「時間帯」から切る。友だちの誘いは「19–21時は親に連絡」ルールで学習の谷間を消す。気がつくとダラダラは、「タイマー+終わったら立つ」儀式で切り替えを体に覚えさせます。
まとめ
平均値は“参考値”であって“合格ライン”ではありません。
重要なのは、家庭の生活リズム・受験期のタイミング・お子さんの気質に合わせて、「用途」「時間帯」「曜日」で細かく線を引き、運用と見直しを続けること。そのための土台は「可視化」です。
スクリーンタイムのグラフを家族で見て、週1回10分だけ話す。 それだけで、争いを減らしつつ健全なデジタル習慣を育てられると感じます。
公的な一次データ(内閣府・e-Stat)を都度リンクで確認しながら、わが家仕様にアップデートしていきましょう。(e-Stat)
参考:一次統計・背景データ(読み物として)
- 令和6年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」低年齢層調査(機器別・年齢階層別のスマホ利用時間を含むデータとCSV/ダッシュボード)。“平均値の前提”を確認するのに最適です。(e-Stat)
- スマホ利用全体のボリューム感を把握する背景資料として、未成年のスマートフォン週間利用時間をまとめたレポート(学年横断のボリューム感の把握に有用)。(こどもとIT)
(注)統計は更新されます。本文の考え方(可視化→合意→運用→見直し)は普遍ですが、具体の平均値はリンク先の最新版を確認してください。(e-Stat)
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