日能研のTMクラスに入る基準とは?TMの特徴を徹底解説!
日能研の各校舎にある最上クラスであるMクラス。
実は、日能研の最上位クラスはMクラスではありません。
限られた校舎にしか設置されず、最難関校への合格率は、あのサピックスですら及ばないとも言える、名実ともに最上位であるTMクラスというクラスが存在します。
この記事では、こんな疑問をお持ちの方にお答えいたします。
日能研のTMクラスに興味を持ったきっかけ
名前だけ知っていたTMクラス
日能研のパンフレットの片隅に書いてあるのを見たことがあり、いわゆる御三家を含む難関校を目指すクラスというくらいのイメージしかありませんでしたが、このTMクラスの存在は知ってはいました。
しかしながら、たとえ入る資格を得たとしても、最寄りの日能研にはTMクラスがないので電車で通塾する必要があること、そして、TMクラスの魅力を合格実績とするのであれば、結局、電車通塾が必要なら単純にサピックスの方がいいであろうと思って積極的な情報収集はしませんでした。
基本的には、処理しきれるのであれば情報はあればあるだけ良いと思っていますが、時間は有限ですので自分にとって不要な情報は切り捨てるということも必要と思っていましたため、TMクラスについて調べることはしていませんでした。
日能研からのTMクラス招待状
そんな中、娘が小3後期に受けた日能研の全国テストの結果は封筒で送られてきたのですが、成績と一緒に、気になる文書が入っていました。「2021年度 新4年生トップオブM(マスター)クラス 入会資格証」、「TMクラスの入会説明会の案内」、そして「TMクラスの通室案内」です。
ただ、今回は詳しい話が載っている資料が同封されていたのできちんと読んでみました。その上で、ネットで情報収集しようとしてみると、意外にも情報が出てきません。
そこで、折角の機会ですし、直接話を聞いて考えが変わるかもしれないし、最寄りの日能研の考えとの比較、実績を売りにしているサピックスとの比較などもできるかもしれませんし、なによりも日能研で頑張っている子どもたちの特徴なども聞けると思って、改めてきちんと資料や案内に含まれていた動画には目を通し、その上で話を聞きに行ってみることにしました。
実際にTMクラスに通っている方や調査済みの方からすれば何の新鮮味もない情報かもしれませんが、参考までに紹介いたします。
日能研のトップオブマスター(TM)クラスとは?
入会資格証をよく見てみると
まずは、入会資格証についてです。抜粋すると、以下のような記述となっていました。
2021年度 新4年生トップオブM(マスター)クラス 入会資格証
「日能研全国テスト」TMクラス受講資格基準
2科目 260点以上
〇〇様は、「日能研全国テスト」において、日々の学習の成果を発揮し、大変優秀な成績を獲得し、「新4年生トップオプMクラス(TMクラス)」の受講資格を得ることができました。
首都圏では、池袋校・自由が丘校・武蔵小杉校・たまプラーザ校・南浦和校でTMクラスを開設しております。近隣エリアから優秀な生徒が集まり、お互いに切礎琢磨し、全国最難関校の合格を目指すクラスです。
〇〇様とTMクラスでお会いできることを担当者一同心よりお待ちしております
TMクラスに入るための基準とは?何人くらい招待される?
娘の場合、算数はともかく、国語では記述と言うか作文が大変なことになっていたので、「大変優秀」とは恐れ多いのですが、教科や能力による足切りのようなものはなく、純粋に2科目の合計点数で決まるようです。Mクラスの基準よりも約30点ほど高くなっていますので、むしろ、Mクラスの基準がとても高いと思いました。
娘の点数、順位、順位からエクセルで計算できる偏差値を考慮すると、TMクラスを開講しているのがたった5校舎のわりには、実は、TMクラスの入会資格を得ている人は多く、順位で言っても200~300人くらいはいるのではないかと思われます。
なお、「順位からエクセルで計算できる偏差値」は以下で紹介しています。ちなみに、講師の話し方からすると、TMクラスの入室基準を満たしていなくてもTMクラスの入会説明会への参加が可能なようでした。
TMクラスの特徴とは?
TMクラス募集要項は?
まず、以下がTMクラスに入るための条件です
- 「日能研全国テスト」で一定の基準を超えた子に、TMクラス受講資格証が発行される
- TMクラス受講資格を取得した子は、TMクラス開講5教室の中から、通室を希望する教室に申し込みが可能となる
- 申込みは、「日能研全国テスト」を受験した教室もしくは「TMクラス開講教室」でできる
- TMクラスは4科目(国算社理)受講となる
- TMクラスに通い続けられるかどうか、入室できるかどうかは、単発の試験成績ではなく、直近の試験の平均で判断される(概ね偏差値65~のよう)
- ただし、基準を超えていても満席では入室することができない
TMクラスの子はどんな学校を受験するのか?実績は?
そして、以下が各種資料、説明会、そして講師に個別に質問させていただいた時のメモです。
- 東京都では自由が丘校・池袋校、神奈川県ではたまプラーザ校・武蔵小杉校、埼玉県では南浦和校で開講
- 首都圏の最上位学カをもつ子どもたちで編成されるクラス
- 男子であれば筑波大駒場・開成・麻布・灘などを目指す子が、女子であれば桜蔭・女子学院などを目指す子が多いようで、驚くことに、第一志望校の合格率ほぼ100%だとか
- 説明を受けたTMクラス開校校舎の実績を見ると、TMクラスとMクラスの実績が別れていないので一概にいえないが、在籍人数を考慮しても、TMクラス開校校舎の実績と、TMクラスを開校していない最寄りの日能研校舎実績では、特に御三家を中心に、明らかにTMクラス開校校舎の方が実績が良い
Mクラスと比べたときの違いは?どんな授業を行う?
- 最難関校で問われるカを育む専用教材を使用(授業用テキスト、宿題テキストはMクラスと同じだが、4年生でも入試問題を使ったTMプリントと呼ばれる特別プリントが用意される)
- 応用問題が多めとなり、解法を暗記するのでは太刀打ちできない御三家などの難関校の難問に立ち向かう力を養う
- 4年生から月に1回「目指せ難関校!特訓講座」が開講され、国語では難関校の記述問題に対して自分の言葉を用いて記述する力を、算数では複雑な条件に対して正しく読み取る力や整理する力、そして筋道を立てて解く力を養うことができる
- Mクラスと比べて、進度は同じだが深さが異なるイメージであり、そのため、Mクラスに下がってしまったとしても習わない範囲が出るということはない
- 宿題は、Mクラスより難易度が高いだけでなく、量も多くなる。と言われるとたじろぎますが、講師が問題を取捨選択してくれるので安心なようです
- 子どもたちが主役の授業を展開し、相互添削なども行う
- アウトプットも多めで、グループディスカッション(現在はコロナで控えている)なども行う
- 少人数クラス(授業風景の写真の様子を見ると10人強だった)
- 電車で通っている人も多い。通っている範囲を聞いて検索してみたかぎり、30分~1時間かけて通う人も珍しくない、というか当たり前な印象
- 新4年生からTMクラスに入室するには、日能研の「全国テスト」で基準を満たす必要があるが、「学ぶチカラテスト」でもTMクラス入室基準が用意されるのでチャンスは残っている
TMクラスの資料や説明を受けた感想
サピックスに負けないTMクラスの合格実績?
日能研は、一般的には中堅の中学校に強いとされていると思います。たしかに、対難関中学校という意味では、例えば御三家合格者数の推移を見てしまうと、圧倒的な実績でいつでも強いサピックスや、サピックスには及ばないながらも実績を伸ばし続けている早稲田アカデミーの方に目が行ってしまうかもしれません。
しかしながら、恐縮ながら日能研の御三家などの最難関校実績は減少傾向と言わざるを得ないとは思っていますが、ゼロになっているわけではありません。最寄りの日能研ではTMクラスがなく、その入試合格実績を見ると、難関校(定義が曖昧ですが)はMクラスから数人という印象でした。そのため、単純に「同じような校舎実績×校舎数=日能研の全体実績」になっているのかなと漠然と思っていました。
Mクラスの子供たちも頑張っていて日能研の実績につながっているのだとは思いますが、やはり、TMクラスの子供達の実績が大きく貢献しているだろうこと、そして、その仕組みが今回わかった気がしました。
サピックスの授業≒日能研TMクラスの授業?
サピックスの授業についての情報は、職場で子供をサピックスに通わせている同僚の話、書籍(中学受験 SAPIXの算数、中学受験 SAPIXの国語、中学受験 SAPIXの授業、入室していなくても会員登録することで閲覧できる入室説明会動画(高学年4科の算数、国語、理科、社会)などで聞いたり見たりしています。
生徒同士のディスカッション、応用問題が多め、宿題は大量で難しい。あくまで私の主観のイメージですが、それらを見る限り、日能研のTMクラスは、そのサピックスに近いような印象を受けました。
親としてはTMクラスに通わせ続けられるかどうかが気になるところではないかと思います。判断基準は単発ではなく過去のテストの平均で行われること、Mクラスに比べて授業内容が深く、宿題も量・質ともに多いことから、TMクラスとMクラスでは差が広がっていく可能性のほうが高く、TMクラスの維持にくらべて、MクラスからTMクラスに上がることのほうが困難なのではないかと感じました。
定員いっぱいであれば基準を満たしても入室不可というのも厳しいですね。
日能研の良いところは穏やかな雰囲気なのにガリガリ頑張るところ
ふと気になって説明会後に個別に質問したことでしたが、この、宿題についての情報は収穫でした。よく考えるとあたり前のことかもしれませんが、「高い成績を維持するには、塾で勉強するだけではなく、家庭学習が大事であり、質も重要だが量も重要」という考えも、TMクラスには多く含まれているなのだなと想いました。
サピックスと似た印象を持った日能研のTMクラスですが、サピックスについては上位のクラスも子どもたちは穏やかで楽しく勉強しているという声も見聞きする一方で、校舎や年、そしてクラスによっては少し殺伐としているという情報も見聞きします。
その点、日能研については、最寄り校もそうですし今回のTMクラス開校の校舎もそうなのですが、殺伐という言葉とはほど遠い雰囲気を感じています。それでいて、熟練した講師の指導を受けることができ、周りを見渡せば優秀な子どもたちに囲まれているわけですから、良い刺激を受けながら切磋琢磨して勉強していくことができるにちがいありません。
私が見てきたことはサピックスや日能研の全体の断片にすぎないとは思いますが、塾選びには子供の性格も考慮すべきというのが定石となっているので、日能研の実績ではなくTMクラスの実績に注目して、難関校志望でありながらサピックスではなくて日能研を選ぶという選択肢も大いにありなのではないかと思いました。
TMクラスの学習進度は少し気になる部分が残りますが・・・
ちなみに、TMクラスの進度がMクラスと同じということは、サピックスや早稲田アカデミーにくらべると、TMクラスと言えども進度は遅いと考えられます。そうすると、進度がゆっくりな分、その分、TMクラスの子どもたちの学力の高さから推測すると、各単元で学習する内容に深さがあると考えられます。
例えば5年生のある時点などでは塾ごとに差が生まれ、日能研が不利なのかもしれませんが、日能研で全範囲が終了する時期には、少なくともTMクラスに注目すれば、大手塾間で深さに差はほとんどないのかもしれないと感じました。
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