中学受験で頑張るお子さんを怒らないためのアンガーマネジメント
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中学受験におけるやってはいけないことの代名詞である「叱ったり責める口調になること」について、以前取り上げました。
「叱ったり責める口調になること」は、子供に自信を失わせたり、モチベーションを下げる結果にしかならないと、誰もが理解しているのではないかと思います。しかしながら、「それでもやってしまう」「自分の子供だと厳しく接することができてしまうからついつい」というのは珍しい話ではないように思います。
そこで、一時期話題になった「アンガーマネジメント」について調べてみました。
ネットにもいろいろなまとめが存在しているので一通り見はしますが、こういう時は体系的に調べたいので書籍を使うようにしています。Amazonで検索してみると・・・・
出るわ出るわ、大量のアンガーマネジメント本。特にソートせずにAmazonおすすめらしい上位30冊の書籍を並べてみると、どれも似たようなタイトルでどれも同じようなことが書いてあるんだろうなという印象です。
このような時は、一般的に、レビューを見て決める方が多ように思います。私もその一人です。しかしながら、今回はいずれアンガーマネジメントに関する書籍もレビューの評価が高いのです。
レビュー件数を見ると、数十ついているのは多数あり、中には100を超えるレビューがついていて、しかも高評価というアンガーマネジメント本もありますね。
「~~入門」というタイトルを全面に出している本で「入門レベル」だったものを見たことがないのは経験済み。。。悩みます。
そのような中、選んだのは・・・
レビュー数は一桁、評価は低くはないけどもっと高いのは色々あるという中での選択です。
よりによってなぜ?と思われるかもしれませんが、「9つ」程度なら覚えられそうだし、アンガーマネジメントの要点を絞ってくれているのではないかなという期待で選びました。
「叱らない、責める口調にならない」
これが目標です。この点については、有名な中学受験ブログなどを閲覧していても、やっぱり皆さん苦労されているのだなと思うことが少なくありません。もちろん、中には「聖人ですか?」と思えるくらい、本当に叱ったりしていないのだろうなと思えるブログも見受けられはしますが、それは少ない方ではないかと思っています。
中学受験について、私は娘が少しでも楽になるような方法を取りたいと思っています。それが、正反対に私が娘の負担になっては全く意味がありませんので、「叱らない、責める口調にならない」を実践できる様になるためのヒントをこの本から学びたいと思っています。中学受験だけでなく、仕事にも活かせるかもしれず一石二鳥なので、じっくり読んでいきます。
第1のポイント「6秒ルール」
1つ目のポイントは、「6秒ルール」です。
アンガーマネジメント理論によると、「6秒」とは、怒りの最大の長さのようです。言い換えると、怒りの頂点は6秒で達しますが、その後、急速に沈静化するということです。どうやら、怒りを認識する私たちの脳は複雑そうに見えて実は単純で、怒りの対象から別のものに意識をそらすと、すぐに冷静さを取り戻すことができるという理屈です。
つまり、いかにこの6秒をやり過ごすかが肝心ということです。この6秒の過ごし方によって子供を泣かせるような最悪の事態を回避することができるということになりますね。ついつい叱ってしまい、「なぜあんなに怒ってしまったのだろう」と自己嫌悪に陥ることもなくなります。
しかしながら、「良かった良かった、これでもう怒らなくて済む」とはなりませんね。。。一見すると意外に短いと思える「6秒」。実際に怒ってしまっている場面を想像すると、むしろ長く感じます。怒りのピークが終わる6秒の間に、いままでやってしまっていたような反射的な行動をしてはならないということになります。初動に失敗したとして、子供が正当化や言い訳を言ってくることを想定すると、さらに6秒追加で絶望的です。やはり、始めの6秒でなんとかする必要があります。
やり過ごすテクニックとしては、この書籍でもいくつか紹介されていましたが、Webで調べてみると他にも多数紹介されていました。結論としては「自分にあった方法を探せば良い」ということと理解しました。
1つ目は、怒りを感じたときに頭の中で数を数えるというものです。数を数えて怒りの感情から意識をそらしている間に6秒経過させる方法です。大きな数字から等間隔で一定の数字を引いていく(例えば100から3ずつ引いていく)方法でしたが、1から数えるのでもよいでしょうし、素数や円周率を暗記しておいて唱えるのでもよさそうです。
2つ目は、呼吸を整えるというものでした。人は怒り心頭となると呼吸が速く浅くなり、冷静でなくなります。そのため、あえて深く深呼吸をします。たしかに、深呼吸をゆっくり深くすると、たった1回でも6秒は経過しますね。その間に怒りの沈静化を期待することができます。
3つ目は、視線をそらすというものです。怒りの対象が目の前にいると、静まるものも静まりません。そこで、身の回りにあるものに意識を集中して観察することで血の気を引かせることができるということです。たまたま手に持っていたペン、子供の座っているイス、机の上のコップ、子供の後ろにある本棚など、なんでもよさそうです。とにかく、子供から視線をずらし、自分の意識をそらすことが肝心なようです。これで6秒を経過させます。
他にも方法の候補がないかWeb調べてみました。
まず、怒りを数値化するのが有効なようです。0が怒りゼロ、10を人生で1番の怒りとして、今の怒りがどの数字かを考えます。職場やら普段の生活やらに比べれば子供への怒りなど大した数字はつかないはずです。2とか3でしょうか。適切な点数をつけることは実際にはどうでもよいことで、数字に意識を向けている間に6秒経過させるということになります。
次に、最も単純ですが、前述の方法に似ているもので、心の中で6秒カウントするというものがありました。数を数えるというのは、当然意識をそちらに向けることになります。 数字の代わりに、他にも「好きな芸能人の名前をいくつかあげる」とか、「好きな歌のタイトルをいくつか思い出す」なども有効かなと思います。
また、その場を一度離れる方法も有効そうです。私はかなり水を飲むので、水を取りに行くとかでしょうか。物理的に離れることで6秒経過させ、怒りの沈静化を図ります。
他にも、6秒だけ完全に思考を停止させて頭の中を真っ白にさせるとか、6秒だけあえて笑顔を作るとか、それはなかなか難しいかもと思うものもありましたが、肝心なことは、「何でもいいから自分にあった方法で6秒経過させる」ということだと思います。
まとめると、「怒りのピークは6秒と言われ、その6秒間に行ってはならないことは反射的な対応をとることです。短いような長いような怒りのピークが終わる「6秒」を経過させることが大事で、方法は色々考えられますが、自分に合ったものを見つけ、それを実践できるトレーニングを積むことです。」ということとなるかなと思います。
正直なところ、叱ってしまって自己嫌悪のループを時々やってしまっています。娘のやる気を引き出すサポートを目指すはずが、モチベーション低下などを招くなど足を引っ張っては元も子もないので、私も調べて終わらせるのではなく、きちんと訓練する必要があります。
第2のポイント「三重丸」
2つ目のポイントは、「三重丸」です。
いきなり結論ですが、自分の「~すべき」「~なはず」が、相手の「~すべき」「~なはず」とずれていると怒りにつながるため、本当に譲れないのかどうかを考えましょうということでした。
人は普通「価値観」というものを持っていますので、「~すべき」「~なはず」という考えを持っているかと思います。相手も人ですので、同様に「~すべき」「~なはず」という考えを持っているでしょう。
お互いに持っている「~すべき」「~なはず」がずれていると、一方または両方が違和感を感じるのは容易に想像できます。そして、その違和感が、時に怒りにつながるということかと思います。
例えば、子供は最善を尽くしていると思っていて、一方で、親はもっと頑張れると思っている。ありがちな話かと思いますが、このようにズレが生じている場合、家庭での立場上、間違いなく親が強く出ることができます。家の外では発生する「遠慮」は、家ではなくなってしまうため、簡単に親から子供への怒りにつながり、子供からは何もできない状況になってしまいますね。そして、子供はモチベーションを下げてしまうと。
まずは、自分の価値観に基づき、3つの範囲を定義するのがよいそうです。
1つ目の丸は「価値観が同じ」
2つ目の丸は1つ目の丸の外側の、より大きな丸で「価値観は異なるが許容できる」
3つ目の丸は2つ目の丸のさらに外側の、より大きな丸で「価値観が異なり許容できない」
そして、大事なのは2つ目で、「許容できる範囲を広げる」というのがポイントとなるようです。
子供の価値観をくみ取ってあげながら、自分の子供だからといって不用意に厳しく接するのではなく、本当に許容できないのかをしっかりと考えるということになるかと思います。
これは、「6秒ルール」の方法論のような即効性のあるものではないかもしれません。むしろ、子供の価値観をどれだけ尊重するかという、中学受験に限らず普段の生活、子育てに必要な考え方かと思います。
なお、Webでも調べてみましたが、三重丸の考え方はこの本の著者オリジナルの考え方というわけではなく、アンガーマネジメントのポイントとして一般的に知られている考え方のようで、同じような説明がたくさん出てきました。
まとめると、怒りのピークを「6秒ルール」でなんとか切り抜けつつ、「三重丸」の考え方で子供への接し方を根本的に改善する、ということと理解しています。
第2のポイント「怒ると叱るの違い」
3つ目のポイントは、「怒る」と「叱る」の違いについてです。
結論から言うと、目標としていた「叱らない、責める口調にならない」は、「怒らない」と「叱っても責める口調にはならない」に訂正しないといけないようです。
これまで調べてきたアンガーマネジメントは以下のようなものでした。
- 怒りの頂点は6秒で達したあとに急速に沈静化するという6秒ルールを理解し、怒りを感じたときに頭の中で数を数える、呼吸を整える、視線をそらす、怒りを数値化する、その場を一度離れるなどの対応によって怒りのピークの6秒をやりすごす。
- 自分の「~すべき」「~なはず」を、相手の「~すべき」「~なはず」に合わせるために、「許容できる範囲を広げる」という三重丸を意識する。
いずれも、「怒り」にどう対応するかという視点です。アンガーマネジメントの方法なので当たり前といえば当たり前ですね。
しかしながら、ネットでアンガーマネジメントを調べていると、「怒る」と「叱る」を区別しなければならないという考え方にたどり着きました。
中学受験に限らず、子育てにおいて両者の区別は大事だという話をどこかで見たような気がします。また、子育てに限らなくても、仕事における人材育成でもよく耳にする話と思います。調べたことや自分の経験をもとに、以下のようにまとめてみました。
「怒る」
- 自分のために感情をぶつけるだけの行動
- 主に否定語を投げかけることになり、相手の自己肯定感などを低下させてしまう
- 過去の別件を持ち出すなど、怒っている間に怒る対象を広げしがち
- 相手は謝るのに精一杯となり、次どうすればいいかは結局わからないまま
- 総じてネガティブ
「叱る」
- 相手のために問題を解決し、成長を促す行動
- 「不十分な点」や「改善すべき点」について次どうするかを示すもので否定語は最小限
- いまのことだけ、目の前のこと1つだけについてが対象
- 叱る過程で、相手は次どうすればいいかきちんと理解することができる
- 総じてポジティブ
一言でいうと、「怒る」のはダメ、「叱る」のは良いということです。ただし、「叱る」は相手のことを思って取る行動という前提がとても大事となります。
これまでのことを振り返ってみると、娘に「あなたのために~」と言ってる割には、「怒る」になってしまったことがあります・・。これはいくら「あなたのために~」といっていても、「怒ると叱るの区別理論」によると、実際には自分の感情のためにやってしまったことで、娘には大事な所が伝わっていなかったのだなと思うと大きな反省です。
この理論を実践するのは簡単ではないと思うのですが、それでも両者を区別するようきちんと努力しなければならないと思っています。「叱らない、責める口調にならない」という目標を、「怒らない」と「叱っても責める口調にはならない」に修正し、娘の考えることを理解できるようになっていきたいと、改めて思いました。
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