中学受験の直前期は伸びる?伸びない子との違いと、合格に近づく追い込み方

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「直前期は伸びる」とよく聞くけれど、うちの子にも当てはまるの?――この不安、ものすごく分かります。
ただ、私が思うに、直前期の伸びは「逆転ドラマ」というより、積み上げてきた力が点数として表に出るタイミングが来やすい、という現象に近いです。



大事なのは「伸びるかどうか」より、合格に近づくかどうか。伸びても合格ラインに届かないなら意味が薄いし、伸びなくても当日に安定して取れれば合格は十分あり得ます。私の場合、娘の受験期は「伸ばす」より「落とさない」を優先した週もありました。
直前期に伸びるって、結局どういう状態?
「伸びる=偏差値が上がる」だけではない
中学受験の世界では、「直前期に伸びた」と言う話が目立ちます。でも本質は、同じ学力でも失点が減って得点が安定することだと思います。たとえば、ケアレスミスが減る、時間配分が整う、見直しの精度が上がる。これも十分「伸び」です。
全員が伸びるなら、差はつかない
ここは本当に忘れがちです。
もし全員が同じだけ伸びるなら、順位はほぼ変わりません。だから、直前期に必要なのは「みんなが伸びる一般的な勉強」より、合否に効くところへ伸びを寄せることです。
伸びは「できなかった問題ができるようになる」こと
「誰もできない難問ができるようになる」イメージを持つと、遠回りになりがちです。
直前期に価値が大きいのは、志望者の大多数が取る問題を落とさなくなること、そして次に、一定数が取れて合否が動くレベルの問題が取れるようになること。
この2つが合格に直結しやすいと考えます。
伸びる時期は「知識」より「得点化」が進む時期
直前期は、過去問や模試を通じて「点にする練習」が増えます。
その結果、頭の中の知識が整理されて、解き方の選択が速くなり、得点が伸びる(または安定する)ことが起きやすい。ここが直前期の強みだと思います。
伸びる子の共通点は、才能より「やり方」と「体の状態」
苦手が明確で、潰し方が具体的
伸びる子は、苦手を「気合い」で克服しようとしません。
「割合の文章題で立式がズレる」「国語の抜き出しで条件を落とす」みたいに、負けパターンが言語化されていることが多いです。
直前期は、この負けパターンを減らした分だけ点が上がりやすいと感じます。
志望校の頻出分野に、努力を集中できる
伸びる子は、全部を完璧にしようとしない印象があります。
限られた時間で、志望校で出やすい分野・形式に寄せて、「取れる問題を増やす」方向へ舵を切れる。ここが合格に近い伸びです。
「直し」が雑にならない
直前期は演習量が増えるので、直しが薄くなりがちです。
でも伸びる子は、直しが短くならない。むしろ、直しの質が点数を決めると分かっている感じがあります。
1問の直しを丁寧にやる子ほど、同じミスを繰り返さなくなります。
生活リズムが崩れない(これが一番大きい)
直前期に限界ギリギリまで努力する子は確かに強いです。
ただし、その努力は「睡眠を削る」ではなく、リズムを守った上での限界であることが多いと思います。
体が崩れると、どんなに勉強しても得点が安定しません。
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合格に近づく伸びを作るための、直前期の勉強の組み立て
まず「取る問題」と「捨てる問題」を決める
直前期に全部を伸ばすのは現実的ではありません。
だからこそ、志望校の過去問を材料にして、確実に取る問題のゾーンを決めるのが先です。
「ここは落とさない」を固めると、点数が安定して、結果的に伸びたように見えることがあります。
苦手分野の学び直しは「薄く広く」が危険
苦手を潰したい気持ちは分かるのですが、直前期に薄く広くやると、結局どこも変わらないことが起きます。
おすすめは、苦手を1〜2個に絞って、理解→基本→典型→時間内で再現の順で「やり切る」こと。
「できた」ではなく、「次もできる」にするイメージです。
過去問は「解く日」と「整える日」を分ける
毎日解くと、点が悪い日のメンタルダメージが大きいです。
解く日と、直し・解法整理・時間配分の確認の日を分けると、学習が安定します。
直しでは、失点原因を「計算」「読み落とし」「知識」「時間」のように分類して、次の1手を決めると迷いません。
理社は「最後に伸びやすい」けれど、やり方を間違えると伸びない
理社は直前期の反復で上がりやすい一方、闇雲に暗記を増やすと崩れます。
直前期は、頻出のテーマ・資料・用語を「回転数」で勝つのが現実的だと思います。
私は娘のとき、理社は「新しいものを増やす日」と「確認だけの日」を分けて、疲れた日は確認だけにしました。
伸びを邪魔する落とし穴と、親ができる現実サポート
「伸びるはず」という期待が、子どもの首を絞めることがある
直前期に伸びる話は、希望にもなりますが、子どもにはプレッシャーにもなります。
期待が強いほど、子どもは失敗を怖がって、挑戦を避けてしまうことがあります。
私は「伸びてほしい」と思いすぎた時期ほど、娘の表情が固くなった気がします。
追い込みは過酷になりやすい。親は覚悟がいる
「生活リズムと健康が第一」は本当にそうです。
ただ、合格に近づく伸びを取りにいくなら、子どもが相応に過酷な毎日にさらされるのも事実だと思います。
親は、そのしんどさを「言葉で加速させない」覚悟が必要です。
声かけは、量ではなく「次の一手」を小さくする
「もっとやりなさい」は直前期ほど逆効果になりがちです。
それより「計算だけ5分」「理社の確認を10個だけ」みたいに、着手を軽くすると動きやすい。
動き出せれば、案外そのまま勉強に入れる子も多いです。
家庭でできるのは、環境で支えること
プリントを整える、机を片付ける、軽食や室温を整える、睡眠を守る。
こういう環境の安定は、点数以上に効くと感じます。
直前期に家がピリピリしないだけで、当日の再現性が上がることがあります。
※直前期の生活・学習を全体像で整えるなら、こちらの記事が参考になります(今回の記事は「伸びる」を合格視点で掘る切り口です)。
中学受験の直前期にやること完全版|勉強・生活・メンタルを崩さず得点を安定させる方法
https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/parent-role/chugakujuken-chokuzenki-yarukoto/
また、直前期に勉強が止まってしまうケースは、こちらで原因別に整理しています。
https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/parent-role/chugakujuken-chokuzenki-benkyou-shinai/
直前期のスランプ対応を探している場合は、こちらもあわせてどうぞ。
https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/parent-role/chugakujuken-chokuzenki-slump/
伸びないときでも、合格に近づくためにやるべきこと
伸びない=失敗ではない。安定は武器になる
直前期に点が大きく伸びなくても、合格する子はたくさんいます。
むしろ大切なのは、当日に「やるべきことをやって、取るべき問題を取る」再現性。
直前期は、伸びより崩れない設計が勝つこともあると思います。
「できる問題の取りこぼし」を最優先で減らす
合格から遠ざかるのは、難問が解けないことより、簡単な問題を落とすことです。
直前期は、計算・漢字・基礎知識・読み落としのような「取りこぼし」に最優先で手を入れると、点が上がりやすいです。
志望校で頻出の「苦手」は、最後まで逃げない
苦手を全部なくすのは無理でも、志望校で頻出なら逃げられません。
ここは、量で殴るより、理解の穴を埋めて、典型問題を再現できるところまで持っていく。
「難しくて無理」ではなく「この型なら取れる」を作るのが現実的だと思います。
最後の最後は、健康と当日の段取りが点数を守る
睡眠、食事、寒さ対策、移動、持ち物、休憩の取り方。
ここは親が支えやすい領域です。
直前期の努力を当日に100%出すには、当日を想定して整えておくのが結局いちばん効く、と私は感じています。
まとめ
直前期に伸びる話は本当ですが、全員に起きるわけではありません。全員が伸びるなら差はつかないので、目標は「伸びること」ではなく、合格に近づく伸びを作ることです。
そのためには、取る問題を決め、苦手と頻出に集中し、直しの質を落とさず、生活リズムを守ることが重要だと思います。伸びが見えないときも、崩れない設計と取りこぼし削減で、合格へ近づく道は作れます。
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