中学受験の直前期にやること完全版|勉強・生活・メンタルを崩さず得点を安定させる方法

中学受験の直前期って、焦りますよね。うちも「もう間に合わないかも…」と感じる日がありました。



でも今振り返ると、この時期は「何かを増やす」より、今ある力を本番で安定して出せる状態に整えるのがいちばん効いたと思います。実際、直前期は勉強だけでなく生活とメンタルまでセットで整えるほど、当日の安定感につながりやすいです。
直前期の基本方針:伸ばすより、落とさない仕組みを作る
直前期は「新しい教材」より「いつもの教材」
直前期に新しい問題集を買うと、安心した気になってしまうのですが、実際は消化しきれず不安が増えることもあります。
この時期は、これまで使ってきたテキスト・プリントの反復が最強だと思います。
「できる・できない」をはっきりさせて、できるものを増やすより、できるはずのものを落とさない方向に寄せるのが現実的です。
1問で差をつけるより、1問で差をつけられない
直前期の学習で大事なのは、難問で周りを出し抜くことより、周りに抜かれない土台を固めることだと思います。
私の感覚では、最難関を狙うほど「取るべき問題を確実に取る力」の差が合否に出やすいです。
娘にも「勝つための1問より、負けないための1問」と何度も声をかけました。
点数より「プロセス」を評価する
過去問の点が上下すると、親の心が持ちません…。ただ、直前期に見るべきは点数そのものより、時間配分・見直し・集中の維持などの中身です。
「今日は見直しまで到達できた」「計算ミスが減った」など、改善が見えれば十分前進だと思います。
家庭の役割を決める
直前期の親は、全部を背負おうとすると苦しくなります。
我が家は「親は環境係、子どもは演習係」と割り切って、生活リズム・体調・声かけに集中しました。
口出ししたくなる日ほど、深呼吸して「段取り」に戻すのがおすすめです。
勉強のやること:過去問の「解き直し」と「取りこぼし回収」が9割
過去問は「本番の時間割」で回す
直前期の過去問は、できれば本番と同じ時間に、同じ制限時間で解きます。
点数のためというより、本番の体内時計と集中の型を作るためです。
「午前の算数→午後の疲れた状態で社会」まで含めて練習すると、当日のイメージが固まります。
「分析ノート」を作って、同じミスを封じる
過去問は解きっぱなしだと、伸びる実感が出にくいです。
おすすめは、ミスを「知識不足」「読み違い」「計算」「時間不足」などに分類して、同じ失点パターンを二度やらない仕組みを作ること。
うちはA4一枚にまとめて、娘が寝る前に「自分の地雷」だけ確認していました(これが意外と効きました)。
算数は「頻出×落としやすい」を横断整理
算数は直前期に急に難問が解けるようになる、というより、取りこぼしが減って点が安定するイメージです。
図形×比、速さ×割合のように、複数単元が混ざるところで崩れやすいので、横断的に整理すると効果が出やすいです。
「解き方を覚える」ではなく「このタイプが出たら、この順番で処理」と手順化すると、焦りに強くなります。
国語は「型」を崩さない(新しい技を増やさない)
国語は直前期にテクニックを増やすと、逆に迷いが増えがちです。
やることはシンプルで、設問を「理由説明」「言い換え」「抜き出し」などに分けて、普段の解き方を固定します。
娘は直前期に「記述の型」を1つに絞ったら、ブレが減って読み直しが効くようになりました。
理社は直前期の主役:完璧に見えても、徹底的に見直す
うちは直前期、基本はできていると思っていたのに、理社を洗い直したら穴が出てきました。
特に理科と社会は、反復が得点に直結しやすいので、コアプラスや四科のまとめの総復習、取りこぼし問題の反復を徹底しました。
「ここは知ってる」で止めず、1問1答や図表問題で「即答できる状態」まで戻すと、本番で強いです。
\ 「読む力」は、家庭の手で育てられます。/
中学受験の国語で苦戦するお子さんは、実は「センス」ではなく「読む手順」を知らないだけです。授業だけでは身につかない読解の基礎を、家庭でどう支えればよいか――その具体的な方法をまとめた記事「親が変える。才能ではなく手順で伸ばす中学受験・国語の読解力」をnoteで公開しました。家庭での国語学習を変えたい方は、ぜひご覧ください。
1月の過ごし方:知識の底上げより、得点の再現性を上げる
1月は「通読」が効くことがある
我が家は1月、比較的時間の余裕があり、また、基礎がほぼ完璧となったこともあり、理社の「予習シリーズ」通読を行いました。
コアプラスや四科のまとめが文字通り仕上がっても、最難関志望の子たちの間では差がつきにくいと感じたからです。
通読の目的は「暗記」ではなく、知識を一枚の地図にする感覚です(つながりが見えると、記憶の抜けが減ります)。
直前期の学習計画は「週」で組む
直前期は、1日単位で詰め込むと崩れます。
おすすめは「週の中で、過去問→解き直し→暗記回し→軽い復習」を固定して、習慣として回る形にすること。
予定が押した日は「暗記だけはやる」「解き直しだけはやる」など、最低ラインを決めると安心感が違います。
冬期講習は「情報格差」を埋める選択肢
娘は早稲田アカデミーに通っていましたが、新小4の入塾以降、ずっと春期・夏期・冬期は一切参加していませんでしたが、6年の冬期講習だけは参加しました。
最難関を狙うと、最大のライバルはサピックス生だとよく言われますが、私は早稲アカ生もライバルと考え、「早稲アカ生の大多数が直前に学ぶ内容を落とす方が怖い」と考えました。
講習に行く/行かないは各家庭の判断ですが、行かない場合は「そこで扱う範囲」を把握して、穴がないようにしたいです。
面接がある学校は、準備を「勉強の邪魔」にしない
面接校がある場合、直前期にゼロから始めると負担が大きいです。
家庭でできる範囲は「よく聞かれる質問に慣れる」「話す順番を決める」くらいにして、勉強のリズムを壊さないのが大切だと思います。
親子面接の準備全体は、こちらの記事が整理に役立つはずです:
https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/shiboukoutaisaku/chuju-mensetsu-kihon/
生活・体調・メンタル:直前期こそ、親ができることが増える
起床時間をそろえる(目安は±15分)
直前期は睡眠時間の長さだけでなく、起床時刻を固定するのが効きます。
毎日バラバラだと、当日の朝に頭が起きません。起床はできれば15分以内の誤差に収める意識が良いと思います。
試験開始の3時間前には「脳が働く状態」を目指して、逆算して整えます。
夜更かしの詰め込みをやめる
直前期ほど「あと1時間…」をやりがちですが、睡眠不足は判断力に響きます。
結局、ミスが増えると勉強時間が長くなり、さらに寝不足になる悪循環に。
うちは「寝る時間だけ固定」を最優先にして、ペースのブレを小さくするようにしました。
食事と感染対策は「当日を普通に迎える」ため
直前期は、体調を崩さないこと自体が大きなアドバンテージです。
朝食をしっかり、手洗い・うがい、人混みを避ける、室内の乾燥対策など、地味ですが効きます。
「特別な健康法」より、いつも通りを守る方が安定すると思います。
声かけは「安心」より「根拠のある自信」
「大丈夫、大丈夫」と言いたくなりますが、子どもには響かない日もあります。
そんなときは「この1週間で計算ミスが減った」「時間配分が整ってきた」みたいに、できた事実を具体的に言うのが効きました。
親の言葉が「根拠」になると、子どもの不安が少し落ち着きます。
しんどい日に効いた応援メッセージの置き方
直前期は、子どもも親もピリピリします。
我が家は「言葉が出ない日」に備えて、短い応援フレーズをメモしておきました。
もし声かけの具体例が欲しければ、こちらにまとめています(直前期の言い回しにも使えます):
https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/parent-role/chugakujuken-ouen-message/
前日・当日:やることを減らして、ミスを減らす
前日は「確認だけ」にして新しいことをしない
前日は、慣れないテキストや新しい知識の詰め込みは避けて、いつもの教材を軽く見返す程度が安心です。
娘も前日は「自分のミスノート」と「理社の穴チェック」だけにして、早めに寝ました。
やらないことを決めるのが、前日の成功だと思います。
持ち物は前々日1回+前日2回のダブルチェック
受験票、時計、筆記具、上着、飲み物、軽食…当日は想像以上に気を使います。
前々日までに一度確認し、前日に午前・午後で2回チェックすると、当日の不安が減ります。
「予備の鉛筆」「消しゴム2個」みたいに、事故対策も入れておくと安心です。
当日の「行動ルール」を決めておく
本番は緊張で、普段ならやらないミスが出ます。
「最初に名前と受験番号を書く」「分からない問題は飛ばす」「見直しはこの順番」など、当日のルールを事前に共有しておくと落ち着きます。
目標は100点ではなく、取れる問題を確実に取り切ること。
まとめ
直前期は、何かを新しく増やすよりも、今まで積み上げた力を本番で安定して出す準備に集中するのがいちばんだと思います。過去問は点数だけで一喜一憂せず、時間配分やミスの傾向を見て「同じ失点を繰り返さない仕組み」を作ると、焦りが少し落ち着きます。
勉強面では、算数は取りこぼしを減らす整理、国語は解き方の型を固定、そして理社は「できているつもり」の穴が出やすいので、総復習と反復で即答力を上げるのが効果的でした。生活面は睡眠と起床時刻を整え、前日・当日はやることを減らしてミスを減らす——この順番で整えると、当日の再現性が上がると感じます。
そして親としては、完璧な声かけを探すより、できた事実を具体的に伝えて、安心より「根拠のある自信」を積み重ねる方が支えになりました。私の場合も、最後は「伸ばす」より「落とさない」を徹底したことで、直前期の不安が少しずつ整理できたと思います。
\ 毎月、新たに数十人の方が私の復習ノートを取り入れ、算数の学びを大きく進化させています! /
中学受験算数では、間違えた問題を集めて復習・分析する「復習ノート」「解き直しノート」が有効です。私の全記録をまとめ、魂を込めた記事「中学受験・算数の成績が劇的に変わる!本気で取り組む『解き直しノート』の全記録」(20,000字超)を、noteで公開しています。以下のリンクからアクセスできますので、よろしければご覧になっていただければ幸いです。
以下は、関連記事です。











