中学受験の筆記具は「鉛筆かシャーペンか」?結論と選び方を徹底比較—本番仕様と家庭学習の最適解

中学受験の当日、いちばん頼りになる筆記具は何か。多くのご家庭が一度は迷うテーマだと思います。私は、「鉛筆」と「シャープペン」を早めに比べ、子ども本人の書きやすさと受験する中学校の指定を両立させるのが現実的だと考えています。



作中で鉛筆の良さが描かれた「二月の勝者」の影響もあり、一般論としては鉛筆推しの声が強いと感じます。一方で、私の場合は最終的にシャープペンを選択しましたが、鉛筆についても徹底的かつ網羅的に調査し、比較してきました。今回は、鉛筆/シャープペン選択の理由や運用のコツ、濃さや本数、キャップ、無地指定、輪ゴム管理まで、当日すぐ使える粒度でまとめます。
鉛筆とシャープペン、どちらを選ぶ?—先に結論と判断軸
書き心地と視認性:読み取りやすさ重視なら「鉛筆」が強い
鉛筆は「B〜2B」が基本線。軽い筆圧でも濃く・太く乗り、採点側の視認性が高いのが強みです。消しゴムでの修正跡も目立ちにくく、紙を傷めにくいため、消しやすさでも有利に感じます。筆圧が不安定な子でもムラが出にくいのも安心材料。
故障リスクとメンテ:現場トラブルを避けるなら「鉛筆」
シャープペンは芯折れ・芯詰まり・機構の不調などの突発トラブルが避けられません。本番は緊張で筆圧が上がりがちなので、普段は折れない芯でも折れることがあります。反対に鉛筆は削りさえ用意しておけば復旧が早い。「当日の再現性」で鉛筆に一票という考え方は筋が通ります。
学校指定と会場ルール:必ず募集要項で確認
「無地」「柄NG」「シャープペン不可」「振って芯を出すタイプNG」など、学校ごとの細則はまちまちです。募集要項の確認が最優先。指定があるなら迷わず従うのが鉄則です。
私の選択と実感:最終的に長女はシャープペン
迷った末、私はシャープペンを選びました。
理由は、削る手間がないこと、線幅の一定性、太くなって潰れた書線を避けられること、持ち替え回数を減らせることです。長女のNNや校舎(早稲アカ上位生)の様子では、体感で大半がシャープペン、一部がこだわりの鉛筆ということでした。もちろん、一般に鉛筆が推されるには理由があると私も思いますが、最適解は本人の書き味と当日仕様の整合だと感じました。
鉛筆でいくなら:濃さ・形状・本数・管理の実戦仕様
濃さは「B〜2B」を起点に、筆圧で微調整
筆圧が強めならB、弱めなら2B。2Bは濃くて読み取りに強い一方、小さな字がやや太りやすい。逆にBは線が締まり、計算過程の細かい書き込みで見やすい。模試でABテストをして本人の最速かつ最小エラーの濃さを決めるのが近道です。
形状は六角・無地推奨、名前は細めで
六角軸は転がりづらく、長時間でも指の当たりが安定。無地は注意も受けにくく、「柄・キャラNG」校にも安全です。氏名は細めの筆記で軸の端に。太い油性マーカーは滑りやすいので注意。
本数は「最低3〜5本+予備」、キャップと輪ゴムで動線管理
当日は3〜5本を主戦力にして、さらに予備をペンケースの別ポケットへ。削った尖り具合をそろえ、キャップで芯先を保護。輪ゴムを軽く巻いて束にすると机上の転がり防止になります。残り時間20分で新品同等の尖り1本を温存しておくと、ラストのマーク塗りつぶしが安定。
鉛筆削りは手動の静音タイプ、携行は小型
会場では電動は音・スペースの観点で避けるのが無難。小型の手動・静音が便利です。削りカス対応の蓋付きなら、机上を汚さず安心。
\ 「読む力」は、家庭の手で育てられます。/
中学受験の国語で苦戦するお子さんは、実は「センス」ではなく「読む手順」を知らないだけです。授業だけでは身につかない読解の基礎を、家庭でどう支えればよいか――その具体的な方法をまとめた記事「親が変える。才能ではなく手順で伸ばす中学受験・国語の読解力」をnoteで公開しました。家庭での国語学習を変えたい方は、ぜひご覧ください。
シャープペンでいくなら(許可される前提):芯・機構・運用の要点
芯径は0.5mm中心、濃さはB〜2B、折れ対策の機構を選ぶ
0.5mmは視認性と細かさのバランスがとれます。B〜2B芯で濃度を確保しつつ、折れ防止機構(クッション機構、ガイドパイプ保持)がある本体を。芯は同ロットで統一し、メーカー混在は避けると折れやかすれが減ります。
低重心・固定パイプ・ノック方式—「書き替えの速さ」を設計
低重心は手ブレを抑え、固定パイプは視界が安定。振って出すタイプは校規でNGの恐れがあるため、上部ノック一択が安心。替え芯ケースは2つ用意し、1つは未開封で本番用に。
トラブル対策:芯詰まり解消ピンと「書けない時の即捨て」
詰まり解消ピンをクリップ裏に忍ばせ、書けない個体は即座に退避。本番で直そうとしないのが事故防止です。残り時間が少ない局面での芯補充は避ける運用に。
模試での実体験比較:初手鉛筆→途中からシャーペンも
たとえば前半(国語・算数)鉛筆、後半(理科・社会)シャーペンで疲労時の字のつぶれやスピードを比較。「最速×最少エラー」の組み合わせを、模試3回分のログで決め打ちにします。
ブランド・価格帯・モデル例(過度に固有名詞へ依存しない選び方)
鉛筆:ハイエンド〜標準の住み分け
「ハイユニ」の書き味は極めてなめらかで、直前期の本番用に向きます。標準帯(ユニ/ユニスター、MONO 等)も芯の均質性が高く、普段使い・模試用に十分。「ステッドラー試験用」のような試験特化も選択肢。大事なのは、子どもが最速で読みやすい字を書けるかです。
シャーペン:低重心・芯クッション・滑りにくいグリップ
筆圧が強い子ほどクッション機構の恩恵が大きいです。金属グリップは手汗で滑る子もいるので、樹脂系の細かなローレットを試す価値あり。消しゴムは本体付属に頼らず単体で用意した方が消字性と面制御に優れます。
テストの日のチェックリスト:忘れ物ゼロ・運用の型
ルール確認・無地・氏名・本数
- 募集要項の筆記具規定(無地/柄/シャーペン可否/太さ)
- 鉛筆3〜5本+予備、またはシャーペン2本+予備芯
- キャップ/輪ゴム/小型削り/消しゴム2個(硬め・柔らかめ)
- 氏名表示は小さく控えめに
配置と動線
主戦力は利き手側に扇状配置、予備は左上。消しゴムは2個置き、1つは面の大きい整地用、もう1つは角の細かい修正用。持ち替えは問題ブロックの切れ目で行い、途中補充は原則しない。
直前1週間
本番と同じ濃さ・同じモデルのみを使う「最終同定期」。筆記具の選択で迷わない状態を作ることが、当日の脳の空き容量を確保します。
家庭学習と併用設計:普段から「本番を練習」する
家庭学習:科目で使い分けてもよい
計算演習はシャーペン、記述や図形・作図は鉛筆など、科目特性での使い分けは合理的だと思います。消し跡の薄さ/線の太りなど、採点者視点の読みやすさも意識。
ノート設計:字の大きさと行間の固定化
最速で読みやすい字の大きさを5mm刻みで試し、行間テンプレを決めます。線幅の一定性を重視する子はシャーペン寄り、視認性と消字性重視の子は鉛筆寄りになりやすいです。
暗記・赤シート系の連携
暗記では発色と消字性の相性が効きます。赤シート連動の筆記具や隠し方のコツは、別記事の「赤シートで消える色は?最強暗記ペンで成績急上昇!?」に具体例を書きました。必要ならこちらも参考にしてみてください。
👉 https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/home-study/akasheet-kierupen/
文房具の全体最適
受験直前で筆記具だけを替えるのはリスク。定規や消しゴム、下敷き、タイマーまで含めて一式の運用を固めるのが安全です。我が家の選択とおすすめは以下でまとめています。
👉 https://chugakujuken-zero-ouen.pal-fp.com/home-study/chugaku-juken-stationery/
まとめ
一般論としては鉛筆が優勢。視認性・消字性・トラブル耐性が総合点で高く、「B〜2B」「六角・無地」「3〜5本運用」がわかりやすい定石です。
とはいえ、最適解は子ども本人の書き味と学校ルールの組み合わせ。模試での比較を重ねて、当日に迷いが出ない装備を固定しましょう。
私の場合はシャープペンに落ち着きましたが、これは本人の筆圧・線幅・持ち替え回数を突き詰めた結果です。どちらを選ぶにしても、テストの直前1週間は同一仕様で過ごす。これが当日の安定感を生みます。
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