中学受験の環境問題|理想と現実をどう考える?国際協力・SDGsまで一気に整理

2025年10月14日教養

教養

「地球温暖化」や「プラスチックごみ」などの環境問題は、いまや中学入試で定番のテーマです。理科や社会だけでなく、時事問題や作文でも出題頻度が高く、単なる暗記では対応しきれません。

この記事では、環境問題の基本から国際的な取り組み、そして中学受験での出題傾向までをわかりやすく整理します。「なぜこの問題が起きるのか」「世界はどう動いているのか」「私たちにできることは何か」。この3点をつなげて理解できると、点数だけでなく教養としての理解の深さも身につきます。


1. 環境問題とは?まずは全体像をつかもう

人間の活動が引き起こす地球規模の課題

環境問題とは、人間の生活や生産活動が自然環境に悪影響を及ぼすことを指します。具体的には、地球温暖化・大気汚染・水質汚濁・森林破壊・海洋汚染などが代表例です。これらは地球全体でつながっており、1つの国だけでは解決できません。

中学受験で問われる「キーワード理解」

受験では、「温室効果ガス」「二酸化炭素(CO₂)」「再生可能エネルギー」などの用語の正確な理解が必要です。単に意味を覚えるのではなく、「なぜCO₂が増えるのか」「どんな技術で減らせるのか」といった因果関係を説明できる力が問われます。

理科・社会・時事が交差するテーマ

環境問題は、理科(気候・エネルギー)と社会(産業・国際協力)の両方の教科にまたがる分野。特に近年は、社会的背景を理解して答える記述問題が増えています。受験生は、知識の横断的な整理を意識しましょう。


2. 代表的な環境問題を整理しよう

① 地球温暖化

地球の平均気温が上昇し、異常気象・干ばつ・豪雨・生態系の変化が生じています。主な原因は、化石燃料の使用によるCO₂の排出。温暖化を防ぐには、省エネ・再エネ・森林保護が欠かせません。

② 大気汚染・水質汚濁・公害

かつて日本では「四大公害病」(水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく・新潟水俣病)が社会問題となりました。これらは産業の発展と環境破壊のバランスの難しさを示す歴史的事例です。中学受験では、原因物質や発生地の組み合わせを問われることが多いです。

③ 森林破壊と生物多様性の危機

熱帯林の伐採や開発により、絶滅危惧種が増加しています。森林はCO₂を吸収する重要な役割を持ち、伐採が進むと温暖化がさらに進行します。「生物多様性の保全」というキーワードは、入試でも頻出です。

④ 海洋プラスチックごみ

ペットボトルやレジ袋などのプラスチックごみが海に流れ出し、魚や海鳥の体内に入り込む深刻な問題となっています。日本でもレジ袋有料化など、日常生活レベルでの対策が進められています。


3. 国際社会が取り組む環境対策の流れ

1972年「国連人間環境会議」

環境問題が初めて国際的に議論された歴史的会議。「かけがえのない地球」というスローガンが掲げられ、世界中が問題意識を共有しました。

1992年「地球サミット(リオ会議)」

持続可能な開発(サステナブル)」という概念が広まりました。これは、「経済成長と環境保全を両立させる」という考え方で、後のSDGsにもつながります。

1997年「京都議定書」

先進国に温室効果ガス削減の義務を課した初の国際的な取り決め。日本は1990年比で6%削減の目標を掲げました。この議定書をきっかけに「京都メカニズム(排出量取引など)」も導入されました。

2015年「パリ協定」

すべての国が自主的な削減目標を定める仕組みが採用され、世界全体での協力体制が確立しました。「地球温暖化を1.5℃以内に抑える」という目標は、現在の環境教育でも重要な指標となっています。


4. SDGsと環境問題──持続可能な未来のために

SDGsとは何か

SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに世界が達成すべき17の目標。環境問題はその中でも特に、13番(気候変動に具体的な対策を)14番(海の豊かさを守ろう)、15番(陸の豊かさを守ろう)と深く関わります。

学校でも注目される「ESD(持続可能な教育)」

学校教育では、単なる暗記ではなく「なぜ守る必要があるのかを考える教育」が重視されています。身近なゴミ問題やエネルギー利用をテーマにした授業が増えており、中学受験でも作文・記述問題に直結しています。

日本と世界の取り組み

日本では「2050年カーボンニュートラル宣言」が発表され、温室効果ガスの実質ゼロを目指しています。世界でも再生可能エネルギーの導入やリサイクル技術の発展が進み、国際的な協力体制が構築されています。


5. 家庭でできる環境学習と受験対策

理科・社会の学習をいつから始めるべき?

中学受験で理科・社会の学習をいつから始めるべきか悩んでいる方は、関連記事「中学受験の理科・社会はいつから始める?後回しが危ない3つの理由と始めどきの目安」も併せてご覧ください。

小学生新聞で「今」を知る

「環境問題」を時事として理解するには、小学生新聞の活用が最も効果的です。日々のニュースを自分の言葉で説明できるようにすると、記述問題にも強くなります。詳しくは「小学生新聞で教養を高めよう」を参考にしてください。

家庭でできる環境行動

節電・節水・リサイクルなどの日常の小さな行動が、学習内容の定着につながります。「なぜこの行動が環境に良いのか」を話し合うことが、学びを「自分ごと」に変えます。

「興味がない子」には体験を

机上の勉強だけでは関心が続かない場合、実体験での学びが効果的です。動物園・科学館・エコイベントなどで「守るべき自然」に触れることが、興味の第一歩になります。関心の引き出し方は「中学受験社会、興味ない子はどうすれば?」にも詳しく紹介しています。


6. まとめ:理想と現実の間で、何を学ぶか

環境問題は、単に「知っている」だけでなく、「自分で考え、行動できるか」が問われるテーマです。理想的な環境保護と現実的な経済活動の両立をどう考えるか―――この視点は、社会科の記述問題でも高得点のカギになります。

中学受験を通して学ぶべきは、地球の未来に対して自分がどう関わるかを考える力です。その第一歩として、「今、できること」から始めてみましょう。

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Posted by ぜろパパ